槍ヶ岳・表銀座をテント泊で縦走(6)喜作新道

槍ヶ岳タイトル6

天気予報は悪天候を予測してたのですが…やはり表銀座を歩いて下山したい…!というよりは横尾から上高地までの10キロの林道歩きが苦手でして…結局下山せずに縦走を続けることにしました。
ええ、悪天候予報が出ているんですもの…景色が良いわけ…あるわけないさ〜。

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目次

登り登山道復活…水俣乗越からヒュッテ西岳

水俣乗越から上高地への下山はしなかったのですが…
けっこうな時間、水俣乗越で悩んだんですよ

このまま登山を続けるか、下山するか…

悩む登山者のイラスト
悩むコトにも時間はかかるので、時間を無駄にしないためにも行動食のおにぎりを食べながら、地図を見て悩む。
食べて…食べて…お腹が満たされてくると、人間ってポジティブ思考になりません?

とりあえず…登ろっか!

笑顔の登山者のイラスト
今回の登山、振り返ってみるとココで登る選択を選んだのは大正解だったんですが…その選択をした一番の要因は単にお腹がいっぱいになってポジティブになったから…です。

水俣乗越から再び歩き出す

安い女の私は、おにぎり1個で前向きになり水俣乗越から西岳方面へ向けて登山を続行することにした。

槍ヶ岳から水俣乗越までは下り一辺倒だったが、水俣乗越から西岳へは登り一辺倒。
それもけっこう急な上りだ。

急な上り

三点支持で岩場を登った先にはハシゴが待ち受けていたり…

水俣乗越から西岳へ細い橋を渡る

ハシゴを登りきったら、右手が切れ落ちた細い橋が待ち受けていたり…

水俣乗越から西岳へ急な岩場を登る

その先には、またもや三点支持を必要とする岩場が待っている。

水俣乗越から西岳へ急なハシゴを登る

その先も…ハシゴ…。
デモネ、急な斜度で高度を上げていくのは、けっこう好みなタイプの登山道
これでもか!これでもか!登りわんこそばを登りきった時の達成感はいいものよ。

水俣乗越から西岳への登山道

んが。
この先もまだまだ登るってことを示してくれる山の斜面

登りきっても絶景の御馳走はないよ〜!っ
て言っている山頂あたりに濃ゆくかかったガスがイジワル!

西岳はガスっている

その後も痩せ尾根を登る。
この写真だと細いとこを垂直に登るように見えますが、実際は水平移動です。

細い道を通過

こうして歩い程度登ると、緑の登山道。

緑の道を通過

ココで一息入れたいところだが…
ガスだよ。

ガスは濃くなる一方

ガスめ〜とボヤきながら進むと…岩場。
しかも水俣乗越スグの岩場よりも更にレベルが高い急斜な岩場のご登場。

ここらですれ違ったノーストックの二人組が、私とすれ違った直後に
こんなとこストック付いて歩けないよな〜
って言ってた。

うん、私ストック持ってる。今、地面に付いてた。

面倒な顔をする登山者のイラスト
でも、この先は畳んで片方の手にぶら下げようと思ってた…。

もしかしたら、私とは全く関係なく言っていたかもしれないがチョット凹んじゃうね。
単独だと、ガスってると…なんでも被害妄想が強くなるのよ私。

切れ落ちた斜面の鎖場を通過

まずは鎖場をカニのように渡り…

その先に現れたのはチョー!長いロングロングアゴーなハシゴが出てきたよ。

西岳への長いハシゴを登る

昨年ココを下った時は怖かったな〜。
昨年通った時の写真を下にアップしますが…

長いはしごが登場

長さがわかる???
でも今回は上りだから…

でも怖い。

下る登山者のイラスト

とにかく長いのよ!このハシゴ。
踏み外したりしたら…ピューって何メートル落下していくのかしら?
で、ハシゴが終わったと思ったら…

西岳への鎖場を渡る

その先にはハシゴ

西岳へのハシゴ連続

またまたハシゴ!

そろそろヒュッテ西岳

う〜ん…ココを通った一番目の人、尊敬するわ。
その人は…やはり小林喜作さん
ここ喜作新道とも言いますよね。
コトバンクで小林喜作さんを検索したところ…喜作さんは大正7年から11年にかけて大天井岳から東鎌尾根を経て槍ケ岳に通じる道を一人で切り開いたとか…。

すごいな、オイ!

びっくりする登山者のイラスト

もう100年以上も遠い昔にそれだけのコトができる人が現代のギアで登山をしたら…どんだけ超人的な登山をするのだろうか…。

そろそろヒュッテ西岳2

喜作さんの事をいろいろと考えているウチに、やっとヒュッテ西岳へ到着した。

8時46分ヒュッテ西岳に到着

ヒュッテ西岳に到着

はい、安定のガスまみれ。
そんな中、小屋からの暖かいメッセージが嬉しい…。

昨年、通過した時はなぜか一枚も撮っていなかったヒュッテ西岳だったので、今回は忘れず記念撮影。

ヒュッテ西岳に到着2

こちらのテント場も槍ヶ岳が真正面に見えて素敵らしいが…今日は見えないだろうな〜。

ガスにまみれた稜線歩き…ヒュッテ西岳から赤石岳

イラストマップヒュッテ西岳からビックリ平まで

ヒュッテ西岳から次のポイントの赤石岳へ向かって歩き出す。

ヒュッテ西岳から先に進む

ここさ〜昨年通った時はお花と緑のコラボが素敵だったよね〜。
今回もお花は咲き誇っています。
白いもやもやの中で…。

岩場の登り斜面

風景を愛でつつ、稜線を歩くのが今回の楽しみだったはずなのに…
ガスで周りが見えないため、テンションダウン。

ゴーロを歩く

本来なら進行方向の左手にどっかーん!槍ヶ岳を始めとする北アルプスの山々が見えているはずなのに〜!
昨年の美しい記憶のまま、表銀座縦走は留めておくべきだったか…?

ガスっていて見えない槍ヶ岳

無駄な抵抗とは分かりつつ、山に向けて息をフーフーする。
私の口から出るのはくさい息だけで、山にかかったガスはピクともしない。

ガスの中、トボトボ歩いていくと、ケルンが現れた。

稜線を歩く1

ガスの中で見るケルン…ケルンの意味を知った今。
その姿はかなり寂しく感じます。
参照記事:登山用語「ケルン」

稜線を歩く2

朝はピカピカに晴れていたのに、なんでこんなにガスが湧いてきたんだろ?
時間はまだ9時じゃないの!

ガスに囲まれたお花畑を歩く1

ケチをつければつけるほど、ガスが濃くなってきた気がする。

山の神に嫌われたのかしら!?

辛い顔をした登山者のイラスト
今回の登山、バスの予約をした時点では晴天予報だったのよね〜。
ああ、青空と緑と黄色・白色との花のコラボがもう一度見たかったな。

ガスに囲まれたお花畑を歩く2

まあ、ガスでも…これだけ咲いていれば十分キレイだったんですけどね。ヘヘ。

お花畑

小さい上り下りを繰り返しながら道は続いていく。

登山道を進む

こうしてたどり着いた山頂が

9時40分赤石岳山頂に到着

赤岩岳山頂に到着
ねえ、知ってた…?
私の今回の登山で初めて登った山頂よ。
だって、槍ヶ岳へは登ってないんだもの…。
赤岩岳からの絶景は…もちろんガスにまかれて、ない。

やっぱり槍ヶ岳へ登っておけば良かったかな…

泣く登山者のイラスト

ところがですよ!赤石岳山頂を越えたあたりから…ガスが…ガスが薄くなってきた!

稜線を大天井岳に向かって進む1

槍ヶ岳はガスががっしりホールドしていて、見えないんですが…
他の山々がうっすらと姿を見せ始めた
わぉ!
とはしゃぎたくなるけれど、落ち浮いて〜落ち着いて〜

だんだんガスが晴れてきた1

ちょっとの晴れ間に何度だまされたことか!
調子に乗った時に何度転んできたことか!

だんだんガスが晴れてきた2

ふふん!だまされないんだからね!
と毒づきながら歩いていくと、ガスがところどころ切れて山々が姿を現し始めてくれたよ!

ガスが晴れてきた

やったね!水俣乗越で下山しなくてよかったー!

風景も良くなったので、ここで腰をおろして軽食タイム。
まずはコンビニおにぎりをムシャムシャ。

続いて商品名の「たまご」に引かれて買ったまんじゅうも…

食べていると、反対側から30人近い団体が…
ひえ〜何かのツアーかしら…と身構えると、学校の授業???
中学生ぐらいの少年少女たち…自分の年令の半分ぐらいの子たちを見ると、最近心が和むの私。

頑張ってネ!

お酒を飲む登山者のイラスト

絶景を見ながら軽食を摂って、体力も回復したので先を急ぐ。

ガスが晴れて周りの山々が見えてきた

その後も左手に山を見ながら歩く。
山を見ながら歩くって…贅沢ですね〜!ただ、槍ヶ岳だけは…全く見えなかったけれど。

10時39分ビックリ平に到着

ビックリ平に到着

なぜ、ビックリなのか?その由来は未だ分からず…。
個人的には…大天井岳側から槍ヶ岳方面へは、まずは鬱蒼とした樹林帯を歩きますが、このビックリ平に着いた途端に稜線歩きになるから

あらまービックリ!

不安な登山者のイラスト

ってコトからビックリ平何じゃないかと思ってますが…。

登るか?迂回か?…ビックリ平から大天荘まで

イラストマップビックリ平から大天荘まで

ええ、ええ、昨年歩いたから、わかっています
このビックリ平から大天荘まで、樹林帯になります。
大好きな稜線歩きとは暫しサヨナラ。

ビックリ平から槍ヶ岳方面を見返す

樹林帯に入った途端、暑くなってきた。

樹林帯に入る1

時間も11時近くなってきたので、気温が上がるのは当たり前ですね。

樹林帯に入る2

樹林帯に入ってスグにハシゴ登場

あら、こんなハシゴなんて会ったかしら?

考える登山者のイラスト
一年前の山行もけっこう忘れちゃってますね〜。

ハシゴ再び

あとね、登山道の真ん中にフンがあっちにポロ。こっちにポロ。と落ちていた。
間違いなく野生動物のフンだと思うんですが、

クマ?

焦る登山者のイラスト

まさかね〜?
フンは、さすがに写真には撮らなかったけど…。
犯人は…やっぱり熊…?

樹林帯に入る3

さて…私の写真はいい写真を選んでブログに投稿しているのですが、
この登山道から見上げた大天井岳山頂付近はほとんどガスの中でした。
下の写真は奇蹟の一枚です。

大天井岳が見えてきた

ガスに覆われた大天井岳山頂付近を見ていると、またもやネガティブの神様がやって来た。

ガスガスの大天井岳でテント泊をしてもなあ…。

体調の悪い登山者のイラスト

時間は11時15分。
この時間ならあと3時間歩いて燕山荘まで行けんじゃねえ?
もうすぐ着く大天荘から、テント場のある大天井ヒュッテは1時間。

あと1時間歩いて、大天井ヒュッテでテント泊。
あと3時間歩いて、燕山荘でテント泊。
どっちにする?
どっち!?

大天荘が見えてきた

こうして、悩みながら歩いているうちに大天荘に着いてしまった。

11時19分大天荘に到着

大天荘に到着

大天荘でジンジャーエールを購入し、山小屋のお兄さんと会話。
やはり明日は天気が崩れる、早めに下山をできる準備をしておいた方がいいようだ…。よって
燕山荘へ行くことに決めました!

次回「槍ヶ岳・表銀座をテント泊で縦走(7)」に続きます。

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