山の豆知識:三大キレットってなんだ

三大キレットってなんだのタイトル
登山地図や登山番組で目に耳にすることの多いキレットという言葉、その中でも○○キレットと名前がつけられた有名な3つのキレットはご存知ですか?
いつかはコンプリートしてみたかったこの三大キレットを2018年の登山でクリアしたので、その記念に三大キレットについてまとめてみました。
この記事は2018年10月に書いた記事のリメイクです。


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キレット…登山経験を重ねた登山者ならば、その名前がつけられた場所が難所だって想像がつきますよね?私も自分の登山行程の中にその言葉があると…
キレットー!
と、気持ちが高ぶります。

キレットって何?

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のページでも説明しましたが、稜線の高低差が大きく鋭く切れ込んだ難所をキレットと言います。
一般的にレベルの高い登山ルートになり、初心者が一人で行くにはオススメされていません。

キレットは気になるが危険なのとヘルメットが嫌で行かないと決めている登山者の漫画

キレットは気になるが危険なのとヘルメットが嫌で行かないと決めている登山者の漫画

キレットは気になるが危険なのとヘルメットが嫌で行かないと決めている登山者の漫画

キレットは気になるが危険なのとヘルメットが嫌で行かないと決めている登山者の漫画

三大キレットはどれも急な岩場で梯子や鎖があり、滑落や落石が多いルートです。
なのでヘルメットは必ず着用し、グローブをはめて、ストックはザックに収納し三点支持で通過しました。
さらに悪天候時は梯子や鎖・岩場は滑りやすくなり危険度が増すため、私がこれらのキレットを通過する日は天気のよい日を狙いました。

でも、それだけ調べても…現地についたら曇っていた・ガスっていた…などありましたが。

登山者のイラスト

それでは三大キレットについて書いていきます。
ココで言われる三大キレットはすべて北アルプスに存在します。

大キレット(槍ヶ岳~穂高岳)

場所は北アルプスの人気スポット槍ヶ岳近くに位置する、北穂高岳と南岳の間の切れ込んだ地帯。

大キレットの直線距離は約1.4㎞と短いのですが、通過するのには3~4時間必要です。
それだけ登ったり下ったり、越えたりが多い岩場道ってこと。
に緊張感を保って歩き続けるので体力だけではなく精神的にも疲れます。

大キレットを図解イラストで説明

私がこのルートを通ったレポはこちら

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下の写真は南岳小屋近くから撮った大キレットの写真。
そのスケールのデカさに登る前から気持ちが萎縮したわ!

大キレットと朝日の写真

出だしから最後まで緊張感が続く急峻な岩稜地帯で、一度入ったら安全なエスケープルートがなく、重大事故も頻発しているエリアということで…怖かったので友人にサポートしてもらって歩きました。

大キレットを通過中は常に緊張して通ったのですが、特に気を引き締めて通過した場所がキレット中盤にある有名な難所が次の2つ。

長谷川ピーク
大キレット長谷川ピークの写真

岩に「Hピーク」とペイントされています。
足場のスペースは少なく、高度感のある道がしばらく続きます。
名前の由来ですが、エッチなピークじゃないですよ。
ここから落ちて救助された大学生の名前から「長谷川ピーク」と名づけられました。

飛騨泣き
大キレット飛騨泣きの写真

スッパリと切れ落ちた岩に足を乗せるだけのステップが用意された高度感を感じる場所。
特に飛騨側(岐阜県側)から落ちるとほぼ助からないため、「飛騨泣き」という名前がつけられたそうです。
これらを越えた先に北穂高小屋があるのですが…まぁ〜最後の登りが辛いこと!

大キレット北穂高小屋への登りの写真

周りが切れ落ちてなくても、クサリがなくてもこういう場所で気を抜いた時に事故は起こるのです。
最後の最後まで気を抜かずに歩こう!

不帰キレット(白馬岳~唐松岳)

北アルプスの後立山連峰にある白馬三山の天狗ノ頭と唐松岳の間にあります。

白馬岳(天狗ノ頭)から唐松岳に至る尾根で、こちらも標準タイムは4時間半〜5時間ほどと長い時間を要します。

不帰キレットを図解イラストで説明

天狗ノ頭から急坂の「天狗の大下り」を降りた付近から「唐松岳手前」までを不帰キレットと呼びます。
特に難所とされているのは、不帰嶮二峰と一峰の間付近。ほぼ垂直な崖を鎖で登っていく個所がある上に浮石もあるため、足場を確認しながらゆっくり歩きました。

私がこのルートを通ったときのレポはこちら

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不帰キレットを見上げる写真

不帰キレットは私が初めて一人で歩いたキレット。
この光景を見上げた時…

不帰キレットを見上げる写真

あんな場所まで自分は登るの?
って、もうドキドキハラハラ!
下の写真はあんな場所で撮った空中ハシゴの写真。

不帰キレットの空中ハシゴの写真

岩と岩の間にかけられたこのハシゴがなければ…とても渡れませんね!

不帰キレットⅡ峰を見る

不帰キレットの核心部を過ぎても、岩場やハシゴは続きます。
山小屋につくまでは一歩一歩足元を確認して進みました。

不帰キレットは天狗山荘→唐松岳唐松岳→天狗山荘で2回歩いたのですが…唐松岳→天狗山荘の方が岩場を下るコトが多いため難易度があがります。
そして不帰キレットを越えてヤレヤレ…と思った自分に立ちふさがる天狗の大下りの登りは…心底辛かった!

八峰キレット(五竜岳~鹿島槍ヶ岳)

こちらも北アルプス・後立山連峰の五竜岳と鹿島槍ヶ岳の間にあります。

核心部に当たる部分は鹿島槍ヶ岳北峰からは1時間半と時間は短いですが、その鹿島槍ヶ岳北峰に到着するまでの時間が標準で8時間ほどかかるので全体的には長丁場。

八峰キレットを図解イラストで説明

八峰キレットよりも五竜岳〜キレット小屋間はチョット急斜面も含む岩稜地帯が長く連続して続くので…こちらの方が気持ち的に厳しいんじゃないかしら?
私は鹿島槍ヶ岳方面から五竜岳へ向かっていったので、その岩稜地帯は登りとなり…そのおかげで五龍岳方面から下ってくる方よりは楽に登れました。
あ…!もちろん八峰キレット〜鹿島槍ヶ岳北峰間も岩稜地帯よ。
このルートを通ったときのレポはコチラ

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この時はキレット小屋に泊まった為、テント泊ではない。
その御蔭で1日で扇沢〜鹿島槍ヶ岳〜キレット小屋まで移動できたが…なんせその距離が長い!
しかもガスっていてし、前後に誰も居ないし…で
キレットよりも道迷いや一人負傷などが怖くなって用心して歩きました。

八峰キレット核心部の写真

八峰キレットエリアに着いた時は疲れ果ててましたが、
おお〜!八峰キレットまで着た!さてさてどんなキレ具合かな?

八峰キレットのハシゴの写真

って思いながら歩いたのですが…
スゴイキレットに出会えないままキレット小屋に着いた思い出が…。

八峰キレットの写真

ネットで検索してみると、同じように「アレレ?」で通過しちゃった人もチラホラと…。

八峰キレットの岩場

とはいえ、このコースも滑落したら大怪我…もしくは…!ってコトになる道。
用心しすぎながら歩きましょう、

三大キレットはどれが一番難しかったか?

信州 山のグレーディング表や各種登山ガイド本を見ると技術的難易度は…
大キレット > 八峰キレット > 不帰キレット
になるみたい。

日本三大キレットは、達成感も得られ、またその風景も最高でしたが、やはり初心者が気軽に行けるコースではないと思います。
私は誰かを誘ってキレットには行けないです…自分のことだけで精一杯。
しかも、一番難しい大キレット通過に関しては、私はプロフェッショナルな友人の助けを借りましたもの。

キレットと呼ばれている箇所は、北アルプスだけでなく日本全国にいくつかあります。北アルプスと同じぐらい有名な八ヶ岳にもキレットはあります。
どんなキレットが日本中にあるのかな?と調べてみましたが、今回の記事には間に合わず…
機会があれば日本中のキレット記事も作ってみたいですね。

最後に…キレットに限らずですが、危険な場所を歩く時は天気の悪い日、体調がすぐれない時は勿論

気分が乗らない時も撤退しよう

弱気な登山者のイラスト

キレット目指した登山だと、せっかくだから〜で無理して登ちゃうんだよね〜。
気持ちがわかるが無理は禁物ですよね!

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