槍ヶ岳に登るルートは複数ありますが、今回の記事「槍沢コース」がアクセス的にもコース的にも初・槍ヶ岳登山には最適なコースではないかと私は思っています。時間はかかるけどね。
前回の記事は
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押してもらえると見てくれている人がいるんだ〜!って嬉しくなるの。
ババ平キャンプ場から槍沢大曲りまで
さて、朝になり…テントを撤収していると…すれ違う青年が「おはようございます」と声をかけてくれる。また他の人が「今日はどちらまで?」とも声をかけてくれる。
一人で登山をしている私にとって、このようにお声をかけてくれるのは…私はとっても嬉しい。
今回の4日間の登山…2日目の今日は…贅沢にも槍ヶ岳でのんびり過ごす予定です。
午前中には槍ヶ岳山荘に到着し、テントを張り、槍ヶ岳へ登ってのんびり…
そのことを話すと「それはイイですね〜(^^)」って言ってくれる。
いいなぁ。山が好きな人々。
さて、ババ平から出発だよ。
5時8分ババ平から出発
約14時間も寝た私の身体は、超イキイキ♪
出発してすぐの左手に何か青い物があるわ…
こちら側にもテントが張れるんだね!
ババ平のトイレ近くの場所しか張れないと思ってたよ。フムフム。
ババ平から槍ヶ岳へ向かっての道は左手に沢をみながら登っていきます。
朝のせいなのか?獣のテリトリーの関係のせいなのか?昨日あれだけ見た「猿」が一匹もいない。
フンも…なかったかな〜?
でも、周りに人が全然いないので熊鈴を鳴らして歩くことにします。
なだらかな登りを進んでいくと…
5時33分槍沢大曲りに到着
数年前に表銀座を歩いた時…水俣乗越で登山を中止するかどうか悩んだ…あの場所か…懐かしい!
山は歩けば歩くほど、その場所その場所の思い出が繋がるので…過去の思い出と合わせて何度でも楽しめちゃいますね!
槍沢大曲りから天狗平分岐まで
槍沢大曲りを過ぎた辺りから登り道は「上り」になってきました。
でも、進行方向には山の稜線が見えているので気分は上がる。
そして…コースタイムによると…4時間歩き続ければ…私もあの稜線近くに立っているんだ。
気がつけば左手の沢は雪渓に変わっています。
近寄って雪に触りたい気持ちはあるけど…あまり近づくてスッテンコロリンしたら嫌なので…登山道から雪を愛でる。
ああ、それにしても…なんと素敵なこの風景〜!
前にも後ろにも人がいない中。
ひとりでポツーンと槍沢コースを歩く
迫ってくる雲に向かって登る。
斜度が出てきたので、超ノロノロで登っていく。
だってね、現在の時間は朝6時半…コースタイムによるとあと3時間半で槍ヶ岳についちゃうじゃん。
ゆっくり登らないと…もったいない!
6時30分天狗原分岐に到着
この分岐点で槍ヶ岳方面と南岳方面へ道が分かれる。
と、お名残惜しく…ここで分岐点を見ていると、後ろから来た男性に「天狗原方面へ行かれるんですか?」と声をかけられた。
そう、7月中旬の北アルプスには残雪いっぱい!
大雪渓があると聞いていると、真夏でもアイゼンを用意するのですが…北アルプスメインルートなら必要ないかな?と油断していました。
※一応事前に登山道状況は調べています。
この雪渓の上を歩いたら気持ち良さそう〜!
でも、アイゼンを持たぬ身には…歩く資格は…ないっ!
だって…万が一滑って雪面を滑落したら…止まらなくなるんでしょう?
天狗原分岐から殺生ヒュッテ分岐
天狗平分岐から槍ヶ岳への斜度は更に上がっていく。
かな〜りゆっくり登っているんですが、前にも後ろにも誰もいないので、のんびり歩けるのが嬉しい。
この記事には載せていないけど、高山植物も結構撮ったよ!
登山道には水溢れる場所もあります。
この水も雪解け水なのかしら?
ちょっと斜度のある場所をトラバースして渡るので…雪が切れていてヨカッタ。
さて、そろそろ出始めた…槍ヶ岳までのカウントダウン。
そしてココらへんから斜度が更に急になりますよ!
歩けども歩けども全く近づかない槍ヶ岳。
好きだけど、憎らしい〜!
こちらの雪渓ですれ違った女性2人組とも雑談。
その内容は…
彼女たちは中房温泉から表銀座を歩いて、本日上高地へ下山という、私が今回計画したルートの逆。
「この先の雪渓はどんな感じか?」「大槍ヒュッテ辺りは熊が…」と私がこれから歩く道の難所を教えていただけて…ありがたい!
さあ、これから…雪渓を渡ります。
先に述べた用にアイゼンを持っていないので…一歩一歩足場を確認して進む。
この雪渓を渡りきるとヒュッテ大槍との分岐点。
ココから先が…さらに斜度上がってない?
進行方向にはペンキマークがイッパイ過ぎて一瞬「どっちよ?」って思うのよ。
そして、この岩屋…このコースを歩いた方なら目にした方も多いのでは?
槍ヶ岳初登攀・開山を成し遂げた江戸後期の山岳修行僧・播隆(ばんりゅう)上人が、その都度利用した岩屋。
4回目の登山の時はこの岩屋に53日間も篭って念仏を唱えたんですって。
そういう歴史を知ると…そんな話も…描きたくなるわ〜。
こんな風に…登山をしながらブログのネタは思いつくが、それをブログにするまでが…なかなか大変…。
そして…またもや雪渓が登場だ。
高度が上がったおかげか?さっきより雪渓範囲が広いぞ。
雪渓が広がる下方を見ると…雪渓で足を滑らせたら…コロコロ転がっていきそうね〜。
そして道筋に数字が書いてあるペンキマーク。
これは…槍ヶ岳山荘までのカウントダウン…。
表銀座、東鎌尾根から歩いた時も…このカウントダウンがあったな〜。
街で歩く100mと山で歩く100m…長さが全然違うのよね〜。
またまた現れた雪渓は…今までで一番雪が深かった。
雪に足をとられそうな気がしたので、心を落ち着け…そして、憎らしいコトを思い浮かべて…
雪を蹴るようにして足場を確保して進む。
キックステップとはなんぞや?と思われた方は
を参考にしてくださいませ。
雪渓には…ストックの先につけてある石突カバーがポツンポツンと埋まっていた…。
雪渓にストックの石突が食い込み過ぎると…なかなか抜けなくなるようです。
ふ〜う…3つの雪渓を無事に渡りきりました…!
ここの雪渓は日が当たる場所にあるので、どんどん溶けてしまうのだろうか……きっと7月下旬頃には溶けきっちゃてる?
8時20分殺生ヒュッテとの分岐点
殺生ヒュッテとの分岐点まで登り着きました。
過去に1度だけテント泊で泊まった殺生ヒュッテです。
名前は怖いけど…山小屋は怖くないよ。
殺生ヒュッテから槍ヶ岳山荘
殺生ヒュッテの分岐から歩いてきた道のりを振り返る…。
登ってきたな!
でも、これから先も登るよ!
見上げれば…槍ヶ岳があんなに近くに…!
よ〜く、よ〜く見れば…槍ヶ岳山頂に立っている人が見える。
あともうチョットだ!って思うんだけど…
残り500mのペンキマーク…。
次のポイントの400mまで、私の身長何人分を歩くのだ?私の身長が158cmだから10人分もない?…私と身近でピンと来る距離感を脳内で計算するが…
斜度と高度が、歩く距離以上に歩くテンポを妨げてくれます。
あ〜…!久々の高度ある場所…やっぱり辛いや!
この斜度なら相当ぜいぜいはぁはぁで飛沫を飛ばしまりながら登った?と思われるかもしれませんが…
実はぜーんぜん!
息切らしてない!
イラストではつらそうな顔で描いていますが…
すっっっっっっごいゆっくりペースで登る私は…
息は全く切れてない。
これ、ホント!
これ以上早く歩いたら…息が切れるっていうスピード手前で歩く。
なので、ホントのほんとに遅いんだけど…息は辛くないの。
もしも誰かと歩いていたら…その人を相当待たすことになるので…
涼しい顔してダラダラ歩いてないで〜!
って思われちゃうかもしれない。
でも、一人だから…いいのだ。
こうしてダラダラ歩くと…槍ヶ岳を基準としたアッチコッチへの分岐点前。
そして、槍ヶ岳山荘前の石階段を登りきれば…。
9時28分槍ヶ岳山荘に到着
あ〜!やっと槍ヶ岳山荘に着いた!
過去には1日で歩いたこのコースを2日かけて歩くのは…
自分の登山体力の衰えを認めることになるので…
正直…悔しい気持ちがある
けど…でも
楽しく安全な登山を続けるなら、自分の体力に合った登山計画を立て、決断をする時が…中高年にはあるのです…。
さてさて、時間はかなり早いが槍ヶ岳山荘に着いた。
この贅沢な槍ヶ岳満喫デーをどう過ごしましょうか?
次回「北アルプスメインルートをテント泊(4)」に続きます。