上高地バスターミナルから出発して2時間…いよいよ登山が始まります。上高地から徳沢までは平らな林道のおかげでサクサク来れたけど…上り・山道となると…ペースは違ってくる。
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徳沢園から2000mの平
徳沢園で朝食をとったら、いよいよ蝶ヶ岳へ向かっての登山開始だ!
徳沢園の向かって右手に蝶ヶ岳への登山口はある。
そちらの方向へ進むと…あら?何?なんかシャレオツな建物が建っているわ…。
私が8年前に通過した時はこのような建物はなかった。
毎年来ている上高地エリアだけど、立ち寄らない場所は年々変わっている。
そして私は新しい物から取り残されていっている中年世代…か、フフっ。
この建物の脇から蝶ヶ岳への登山道が始まるよ。
登山口には「蝶ヶ岳・長塀山」って書いてあったけど…長塀山って読める?私は読めなかったし、今回のレポを書くまでも読めなかった。
長塀山と書いてながかべやまと読む。
なので、登山中は「ちょうへい山」って心の中で読んでいたよ。
で、登山道にいざ入れば…。
急登
ジグザグとつづら折りに道は作られているのだが、目の前に広がる道は急登だ。
年齢的、生活スタイル的に体力が落ちきった私に急登は辛い!
辛い…辛いなら…超絶ユックリ登ろう!
そう決めてユックリと登る。
後ろに誰かの気配を感じれば、即座に譲る。
過去に蝶ヶ岳から徳沢園まで下山ルートとして歩いた時は全然人が居なくて不安に包まれたこのルート。
今回も人は少ないだろうと想定し熊鈴リンリン鳴らしながら登っていたけど…
けっこう登山者さん居た。
たらたら歩けば後ろに人の気配。
道を譲ってたらたら歩けば、またもや人の気配。
あら〜歩く人いるのね…このルート。
私が過去に幾度か蝶ヶ岳へ登った時は三俣ルートを利用した。
マイカーならそのルートが一番手っ取り早いしお金も安そうよね。
三俣登山口へはバスは出ていないので、穂高駅からタクシーを利用することになる…そのタクシー代・約6000円は…ひとり登山の私には無理!
公共機関で北アルプスを訪れるには上高地へのアクセスが一番ラクだ。
高速バスに乗れば新宿から上高地バスターミナルまで乗り換えなしで連れてってくれるのよ。
なので、上高地から蝶ヶ岳へ登ろうと思うと…このルートを選択することになる。
しかし…出だしからの上り続けはなかなかに辛い。
荷物は重いし、足取りは重いし…。
テント泊装備じゃなかったら…もうチョット楽に登れたのかな?
テント泊装備の方々にもガンガン抜かれて行きましたが…。
あと、このルートでタイミングが悪い巡り合わせも…。
10人ぐらいのテント泊パーティーが常に近くに居たのよね…。
私はユックリだけど、休まず。
彼らは早いけど、頻繁に休憩をとる。
彼らに抜いてもらったけど、その先の道で彼らは休憩。
そこを私が抜いて…しばらくすると彼らが私を抜き…そして休憩。
そこをまた私が抜いて…。
そこで仲良くなれたら良かったけど、なれなかったので…なんだか、この、抜きつ抜かれつの繰り返しが気持ち的に落ち着かなかったわね。
そして…道はただただ、登る。
徳沢から蝶ヶ岳までは標高差約1,100m。
地図上のコースタイムにして4時間40分。
まあまあ長いよね。
さらに…
ずう〜〜〜〜〜っと樹林帯で…展望がない。
さらに季節は夏で、雨が降った後だと…ちょっと蒸してて…。
なかなかに修行道。
登っても登っても変わらぬ風景に…ちょっと嫌々期に入りつつあったら…
ちょっとだけ木々の顔が変わるエリアに入った。
涼しげに見えるこのエリアに気持ちが前向きに戻って、また進む。
その先には階段が登場。
ここからしばらくは階段が度々現れるようになった。
もしかしたら…階段がなくても、ヨッコラせっ!で登れる道かもしれないけれど、やはり階段の設置はありがたい。
特に…下りだろうな〜。
私が8年前にこの道を下った時、下りの急な段差でレインウェアのパンツを引っ掛けて破いた思い出がある。
この階段だって、数年周期で付け替えてくれているのでしょう…。ありがたい。
そうそう…今回歩いたルートは「長塀尾根」とも言われています。
しかし、このルート…休憩ポイントが見つけづらいかも?
ひたすらの登りと、木々や草木に囲まれた道はココぞ!という休憩ポイントが見つけづらい。
何度も抜きつ抜かれつしたパーティーは道沿いで休憩してたから…大人数になればなる程、休憩ポイント探しは大変かもね。
登ることにホトホト疲れ…何度も立ち休憩。
何度も書いていますが、とにかくこのルート…風景に変化がない。
だから一人でモクモクとヒィヒィと登っていると
病が出てくる。
誰かとお喋りでもしつつ登りたいルートかも。
そうそう、地図上には2000の平ってポイントがあるのですが…私は気が付かずに通り過ぎたようだ。
ネットで調べてみたら、特に標識があるわけでもない。
そりゃあ見つけるのは無理だ。
なので、途中で撮った徳沢と蝶ヶ岳への中間地点の写真を上げておく。
距離にしてみれば、 徳沢へ3キロ・蝶ヶ岳へ3キロとまだまだ先は長いのだが、地図で見れば…この2000の平から蝶ヶ岳への登りは今までよりはチョット緩やかになっている。
ソレを信じて進め。私。
2000mの平から長塀山まで
時間は正午に近づくにつれ、気温が上がってきたかも?
暑いし、展望ないし…長塀山へなかなか着かないし…。
2000mの平から急登でなくなっても、登りは登り。
既に疲れ切っているのもあって、ペースは全く縮まらない。というか遅くなっている。
あと、長塀尾根のデメリットは…。
足もとドロドログチョグチョになる。
これ、8年前に歩いた時も思ったんだけど…こんなに足もとがグチョグチョなのは…
前日〜今朝にかけての雨のせい?
長塀尾根の地形のせい?
私は過去に歩いた時、この道がグチョグチョだった記憶が残っていので、上高地バスターミナルから履きっぱなしだったレインパンツは脱がずに歩いたけど…。
場所によっては登山靴ごとズブズブ道に浸かってしまうトコもあったので、ゲーターは着けておいた方が良いかも。
長塀山に近づくと斜度は緩くなっていくが…
ペースは全く上がらず…で。トホホのホ。
でも、まあ…現在の時間は11時50分、ここから蝶ヶ岳までコースタイムで1時間半ほどと…余裕がある
テント場には15時までには着けばいいし、早く着いたら日中の日差しでサウナテントになっちゃうこと間違いなし!だからゆっくり行こうぜ!
と、開き直った所に現れる
泥道。
逃げようのないズブズブ道にズブズブしながら進む…。
その後も現れるズブズブ。
場所によってはズブズブ道を横切るように木が倒してあるので…。
長塀尾根ルートはズブズブ公認なのかもしれない。
それにしても…中々長塀山に着かないもんだ。
スマホに入れてあるGPSアプリで何度も確認しちゃう。
着きそうで、着かない。
だいぶ歩いたよね、全然歩いていない。
スマホで何度も己の歩くペースの遅さを認識しながら歩くと…。
あ!見えた!標識だ!
長塀山に到着!
時間は12時7分。
徳沢園から3時間30分で着いたから…コースタイムとほぼ一緒ね!
長塀山山頂には…木々に囲まれて展望なし。
ココまでの道も展望なし。
山頂も展望なし。
そして、この先に見えている登山道も樹林帯ゆえ展望なし。
あああ。この先も展望なし登山は続く…。
ちょっと凹んだ私の心を励ましてくれる長塀山の三角点。
この小さな三角点に元気を貰って先へ進むのだ。
次回「常念山脈縦走(3)蝶ヶ岳編」に続きます