大キレットを無事通過し、後は穂高山荘でマッタリとした午後を過ごそう〜!と思っていた…しかしそうは問屋が卸さない!…噂には聞いていた北穂高岳から穂高山荘までのハードな岩場…それは想像以上に厳しい岩場の稜線歩きでした。
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記事一覧
ー 脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(用意編)
ー 脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(奥丸山編)
ー 脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(南岳新道編)
ー 脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(大キレット編)
INDEX
ー 北穂高岳から穂高山荘を目指す
ー 最低コルからの上り
ー 涸沢岳に到着!
ー 穂高山荘でマッタリ
01北穂高岳から穂高山荘を目指す
北穂高岳は双耳峰です。ものすごく簡単にいえば頂上が2つある山。
北穂高小屋は北峰の東壁に…遠くから見ると…まるでアポロチョコの上にチョコンと建っているかのように見えます。
強風の時にどうやって耐えられる構造になっているのかしら?地震が起きたら…?トイレまわりはどうなっているの?と、謎が渦巻く。
北穂高小屋を出発して、ほんのチョットだけ上った場所が北穂高岳の北峰山頂になります。
09時20分北穂高岳山頂
昔むかし…涸沢から北穂高岳まで上った時は友だちと登ることが目的だったのでこの山をよく知らなかった…大キレットを見に行ってもなかったかも…思い返せば、ここまで登ったのに…登山に興味がなかったって…ある意味スゴイな。
向かう先の奥穂高岳の方角を見ると…見るからに険しい岩と岩の稜線が目の前に広がっている。
とりあえず北穂高岳の南峰まで移動します。
北穂高岳のテント場はこの南峰近くにある南稜テラスにあるそうで…Kさん曰く…
があるそうだ。動くことを厭わないKさんが言うのだから…面倒くさいんだな。うん。
…標識を見れば北穂高小屋から200m…しかも岩場。確かに面倒くさそうだ。
コチラの南峰は奥穂高岳と涸沢への分岐点でもあります。
過去に北穂高岳に来た時は、涸沢から登ったんですね…私。
さて、あれから数年経ち…今の私は奥穂高岳へ向かって進むんです。
向かう奥穂高岳方面はまだまだ遠い…!大キレットを通過できたからといって気は抜けない道のりがここから始まりました。
南峰分岐を過ぎると岩場はどんどんハードになっていきます。
全身を使って渡っていかなければならないような岩場が次々と現れます。
ここで大キレットでお会いした山岳救助隊の方が歩いていました。
はい、何かありました。
私が大キレットを通過した週…大きな山岳事故が3件も発生していたそうで…。帰宅後にその事故の内容を知りました。
今回の大キレット&ジャンダルムを無事通過できた〜!で過信はせず…自分だけはダイジョブなどと思わず、いつ何が起こるかわからない…と気を引き締めて登山を楽しんでいきたいと思います。
さて、そのまま進んでいくと滝谷ドーム?と呼ばれるスゴイ岩が現れた…。
この岩を右からから回り込んだ先は、また急な下り…。
下りきった先から今度は左側に回り込みます…すると目の前に広がる奥穂高岳…そして涸沢が見下ろせるようになります。
もう岩だらけでどこをどう進んだら良いのか分からない道をペンキ印を頼りに進んでいく。
向かって左側に出たら…涸沢が眼下に見える〜!あー!テントが張ってあるね〜!と思っていたら…こんどはまた、向かって右側の滝谷側に移動したりと岩場の移動もチョコチョコせわしない。
あまり岩に張り付くのはヨロシクナイとはわかっていても…
滝谷側の見るも恐ろしい崖を見るとついつい岩壁にスリスリしちゃうんですよ。
心は楽しいのですが…身体は正直…ネ。
そしてまた現れる激しい岩場の登り…。
北穂高岳〜奥穂高岳間って大キレットやジャンダルムにかき消されてあまりハードとは書かれていない気がしますが…
そんな時、この陽気な道標が心を明るくしてくれます…。
けれどもこの区間の歩きはまだまだ序盤…。
また、この北穂高岳〜穂高山荘区間では数組のアンザイレンパーティーを見かけました。
アンザイレンって万が一ひとりが滑落しても他の皆で支え合えるようにロープでお互いを確保しあっているんですよね?
この稜線にあった。こんな岩…よくもまあ、倒れず踏ん張っているわね〜って感心する。
私が通っている時に…いや!人がいる時には倒れないでね…。
先ほどの大キレットに比べて、この稜線には結構人が居たので、渋滞は起こっていませんでしたが常に前に誰かいる状態で歩いていました。
その人がおっかなびっくり苦労する姿を見ると…私はイメージ画像に弱いタイプなので自分も心持ち…つられちゃう…。
登っては下り、下っては上りを繰り返しながら進みます。
多分ココらへんが奥壁バンドと呼ばれる場所だったんじゃないかな?
滝谷の大岩壁がなぎ落ちた高度差が300mもあるので迫力満点過ぎます。
そして…北穂高岳〜穂高山荘間も距離的には長くないので、見える風景はだいたい同じ…。
やっていることも岩場を登ったり下ったりと…同じ…。
だが、見える恐怖感はその度…新鮮!
いや〜…大キレットから始まって、岩場をずっと歩き続けていても怖い場所にはまだまだ慣れきれません。
ゆるやかなガレ場を下っていった先に現れたのは…
10時26分最低コルに到着
このルートの一番低い場所の最低コル(涸沢のコルとも言う)です。
ここは北穂高山荘から奥穂高山荘までのちょうど中間点になるそうです。
02最低コルからの上り
最低コルを抜けると涸沢岳へ向かっての登りになります。
最低コルを通過し、亀岩と呼ばれる丸い背の岩峰を越えた場所にも鞍部があり、ニセ涸沢のコルとも呼ばれるそうで…奥穂高岳側から来ると、ココを最低コルと勘違いする方が多いそうです。
さて…ここから涸沢槍、そして涸沢岳の長い長い鎖場が待ち受ける急登が始まりました。
アンザイレンチームもだいぶお疲れのようで…。
ここの岩場を越えた場所で…道を譲られました…。
最低コルを過ぎてからの登りが北穂高岳~涸沢岳間で高度感を一番感じる場所だった気がします。
まず鎖に沿って登ると、続いてハシゴが登場!
そして…鎖…その先には…
ハシゴ…!
2つのハシゴを越えたら、今度は長い鎖のある岩場を斜めに登る…。
右も左も切れ落ちた岩場を歩くんですよ…もうっ!
暑さと疲れでウッカリミスをしないよう細心の注意を払って歩きます。
稜線を超えると、D沢のコルと言われる…また低い所にです。
低いところから上を見上げると…
う〜ん…いつもの写真の割合だと伝わらないかも…ちょっとロングタイプの写真も…
ねえ…嫌んならない?この上り!
しかものこの先もこーーーーんな長い鎖場が…!
怒涛の上りを幾度も生ツバを飲みながら上り…
よくもまあ、こんな長い鎖をかけたもんだと…かけてくれた方々への感謝の気持ちを幾度も口にしていたら…。
最後に現れたV字に割れた90度に近い(個人的印象です)壁が現れた!
ココは鎖と岩に打ち付けられた鉄の棒を頼りによじ登っていく。
ココを何とか乗り越えた先には…念願の…涸沢岳の稜線です!
ここまで登りきれば、道は一気に穏やかな岩場になり。
すぐに涸沢岳の山頂が見えてきました。
振り返ると、こう通ってきた大キレットから通ずる北穂高岳、そして北穂高岳からの稜線がここまで続く。