登山2日目、いよいよ念願の大キレットを歩きます。一般登山道では1、2の難易度を誇る大キレットを通過した時の思い出です。
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記事一覧
ー 脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(用意編)
ー 脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(奥丸山編)
ー 脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(南岳新道編)
INDEX
ー 南岳小屋で準備を整える
ー 南岳小屋から長谷川ピークまで
ー 長谷川ピークから飛騨泣きまで
ー 飛騨泣きから北穂高山荘まで
01南岳小屋で準備を整える
朝3時に腕時計のアラーム振動で目が覚める。
周りはまだ寝静まっているので、そ〜〜〜っと布団を抜け出して部屋の外へ。そうそう、女性部屋は小屋の2階でした。
そのまま廊下に置いておいたザックを持って1Fの談話室で身なりを整える。
4時近くなると小屋のスタッフも行動を始めたようで電気がつき始める。
食堂前にポットが置かれたのでお湯料金を払って500mlのお湯を購入して朝ごはん…やはり温かい飲み物はホッとしますね。
そうそう、南岳小屋には南岳小屋オリジナルグッズや
お菓子や焼酎・いいちこなども売っていました。
ご飯を食べるのも、トイレへ行くもの小屋だと本当に楽だな〜と久々の小屋泊を満喫していたが…便利さ故に準備も早々に終わってしまった…。
Kさんとの約束の時間は5時に小屋前。
まだ時間があるのでヘルメットをかぶって鏡の前へ行ってみる…ちょっとでも可愛く見せたい女心ってヤツですヨ。
で…被ってみるが…。
なんで、なんでこんなにヘルメットをかぶった私は変なんだろう?(←頭がでかいから)
頭とヘルメットの間に緩衝材として巻いているタオルを巻き直したり、ヘルメットのバンドを調整したりして少しでもマシに見えるように頑張るが…変!
頭の上にヘルメットが乗っかている感がものすごくみっともない!
仕方がない…見た目は諦めよう…。
かぶりたくないけれど、身の安全のためには必要なヘルメット…。
開き直ってしっかりとヘルメットをかぶり、ヘルメットがぐらつかないようにしっかり顎下のバンドも締めました。
ちなみにダンナにも私のヘルメット姿は変だと笑われています。
世の中で一番、私のコトを贔屓目で見てくれるダンナにもですよ!
昨日乾燥室で乾かした登山靴も奥まですっかり乾いてて安心。
これがテント泊だったら乾いたかどうか…本当に今回は小屋泊にしておいて良かったです。
困ったことが起こっても何とか回避できているのが今回の登山がうまく回っている感に包まれて…うん!今日の大キレットは大丈夫に間違いない!
登山靴も履いたし、ザックの調整も終わって本当にやることもなくなったのでキャンプ場のKさんを見に行くと…テントの撤収作業に手間取っていた。
ものすごく寒い夜だったようで、テントの結び目が凍りついてほどけない!
しかもテント泊で冷え切ったKさんの指は結び目をしっかりつかむことができないらしい。
小屋で温々と眠り、温かいものを飲んだ私の指先はポカポカ。
昨日、そしてこれからのお礼の変わりにテント撤収作業を手伝うことに…って結び目をほどいただけだけど。
テントの撤収を終えたら…いざ大キレットへ!
南岳小屋を通り過ぎて大キレットへ向かおうとした時に朝日がさしてきた。
いい天気!これ、この天気を狙って今日来たんだもの!天気予報当たってよかった!
振り返ると槍ヶ岳も赤く染まっている。
進む大キレットも真っ赤。
けれど、私が赤くならないよう気をつけて大キレットへ挑もう!
振り返ってお世話になった南岳小屋に別れを告げる。
02南岳小屋から長谷川ピークまで
今回は距離自体は短いので通った登山地図はコレのみにします。
大キレットは槍ヶ岳と穂高連峰を結ぶ稜線上の大きく切れ落ちた部分のことを指し、国内の一般登山道では最大の難路と言われている。
そして…滑落や落石による事故が毎年のように起こっています。
誰も事故に会いたいと思って通る大キレットではない、うっかりした時、もしくは不慮の事態に巻き込まれて結果事故に繋がったのだろうと思うと…気がひきしまります。
05時31分大キレットに入る
南岳小屋から出て直ぐに大キレットの下りが始まる…心の準備が〜!なんて言っている距離もない程、直ぐにです。
下りの取り付きには「大キレット」標識があるらしいのですが…見つけられませんでした。
昨日の南岳新道でもお目当ての看板が見つけられなかったし…私看板にご縁がないのかしら?
唯一見つけたのがこの道標…。
獅子鼻岩の右手から大きく下る。ここを下るには両手両足を使っての三点支持が必須。
続いて、鎖のかかる足場の悪い箇所も下りて行きます。
Kさんはクサリに頼らず降りていく…。
最初っから岩場満載なのだが、ここは左右が切れ落ちていたり狭い道ではないので穏やかな心で下る。
この長い長いハシゴ2台を降りたら…
底部に着きました。
ハシゴから降りて見上げると、頭上にそびえ立っている南岳獅子鼻岩の岩峰に圧倒されます。
その先は大岩の重なる岩場の尾根を上り下りしながら、歩いていきます。
想像よりも岩場も崖もなだらかで足場もしっかりしていたので、昨日の南岳新道訓練を終えたばかりで岩場麻痺している私にはあまり怖くはありませんでした。
歩いてきた道を振り返ると南岳のドームが覆いかぶさるようにそびえ立っている。
途中でふと気がついたブロッケン現象。
ブロッケン現象って貴重なんですよね?
でもブロッケンって聞くと、いつもキン肉マンに出てくるブロッケンJrを思い出して一人で口元がニヤニヤしている私…。
その先の道も見晴らしの良い稜線を見ながら歩きました。
風景に見惚れて足元がおろそかにならないように注意…。
天気に恵まれたおかげで遠くに見える北穂高小屋の上りが常に見えています。
振り返ると、今まで歩いて来たルート。
前を見ても、後ろを見ても大キレット楽しい〜!としか思えない楽しい道のりです。
登山道はペンキ印が細かくつけられているので、常にペンキマークの先の先を確認しながら歩けば迷うことはないかと…。
えっと…このペンキじるしの北ホってお茶の茶に見えません?
その後も歩き…
上り…
腕を使い…
岩にしがみつく。
そんなコトをしている内に道はだんだんとハードになってきました。
足元を覗けば、滑落したら止まることなく下まで落ちていきそうな斜面の滝谷が広がっている。
そして、岩場を登り切った場所に書いてあったその文字は…!
06時53分長谷川ピークに到着
そう、とうとう馬の背と呼ばれる難所の長谷川ピークに到着したのです。
ここからが大キレットの核心部と言われる場所に入るんだそうです…確かに長谷川ピーク以後から大キレットの道のりはハードになりました。
もうね、落ちたらタダではすまない光景が眼下に広がっています。
長谷川ピークの進み出しはリッジの向かって左側、途中で刃をまたいで右側へ移動しなければならないのですが…その刃をまたぐ動作をするのにドキドキ。
だって刃を渡るんですもの!
鉄杭や鎖がかかっているおかげで渡りやすくなっているとはいえ…簡単な道とは言えないよ。
なに?この右へ左へ切れ落ちた稜線!しかも狭いよ!
ここでは向こうから来る人とすれ違えないので、向こうから人が来ていないか確認してから進むことに。
足場はあるので慎重に進んでいきます…。
右側に越えた先には岩に取り付けられた4つの足場があります。
これを踏み外さないように気をつけて通過して飛騨側に下りて行きます。
長谷川ピークに着くまでは、大キレットたいしたことないかも〜?と慢心気味になっていたのですが長谷川ピークで初心に戻りました。
そりゃあ、岩場に張り付いて動けないよ〜!って道ではないですが…落ちたらオシマイです。
前日の奥丸山での木の根っこ滑り事件のように油断した時に何かをしでかすタイプなので
で浮かれないように幾度も自分に
と言い聞かせて、先を進むことに…。