今回の山レポは淡々と歩き続けた思い出。登山としての盛り上がりはないし、過去にも何度か書いたルートなので割愛しても良かったんだけど…いやいや!新穂高温泉から北アルプスへの登山の中で精神的に辛いゾーンは山レポとして書いておかないと!と思い…つまんない内容だけど、書いたよ。
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前回の記事は…
右俣林道を歩いて白出沢まで
さて、右俣林道から登山を開始しましょう。
下の写真、ゲートで道が封鎖されているように見えますが
これは車の侵入を防ぐものであって、人間はゲートの脇から侵入してOK!
そのコトを知らなかった登山者初心者時代は…
柵があるけど通っていいの〜?
って悩んだものよ。
右俣林道に入ると約2時間はひたすらの林道歩きになります。
この単調な道は深夜バスであまり眠れなかった睡眠不足の身体に眠りの魔法をかけてくるのでメンタル的に辛い。
こうして歩いていると進行方向右手に新穂高平近道と書いてある石の標識とピンクリボン。
近道♥
なんて魅力的なお言葉でしょうか…。
長い長い林道を歩いている時に近道って聞くと進みたくなるのが人ってもんじゃない?
でも気をつけて!
この穂高平近道ルートは一般登山道ではない波線ルート。
ヤマケイオンラインではルートすら書かれていないのよ。
登山初心者やこのルートを歩くことに不安を感じるよう人は止めておいた方がいい。
この標識から近道を登っていくと、道は急斜面かつゴツゴツした岩が転がる道になっていく。
その2つに気を取られていると、向かって左手にある登山道に気が付かず登りすぎてしまい…
え〜?私はドコへ進んでいけばいいの?
って事態に遭遇することも!
………ええ、私がそうだったよ。
このルート、歩くのは2度目だったんだけど…1度目は何の問題もなく歩いたのに、2度目の今回は左手にある道が見つからなくって…5分ほど悩んだ。
同じ山、同じルートなのに…道に悩むことになるとは…。
山こわぃ…素直に林道を歩けばよかった
と、しきりに後悔しながらも正規のルートを見つけ歩き、進み…
穂高平小屋前に出た。
穂高平近道…登りの道の大変さと道を間違えたときのリスクを考えると、ここを歩かずに素直に林道を歩いた方が精神力&体力を温存出来た気がする。
ここらで遭遇した若者集団が「トイレがして〜!」と言いながら穂高平小屋へ立ち寄っていた。
ああ、途中で彼らに抜かれるんだろうな…。
そう思いながら足を進める。
穂高平小屋を通過した先も林道が続いていく。淡々と歩く。ひたすら淡々と…。
すると出てきた奥穂高岳登山口。ココを登っていくルートは白出沢ルートと呼ばれている。
私は歩いたコトがないのだが、ネットでの感想を見ると
岩が多いので落石注意。
ヘルメット必須。
ルートが不明瞭な場所がある。
と、書いてある。
そんな難易度の高いルート…単独オバサン無理。
年をとると共に歩けない登山ルートも増えてきたよな〜っとしみじみ感じつつ、林道を歩いていると白い岩が転がる河原っぽい場所に出た。
新穂高温泉から2時間歩いて着いた、だだっ広い場所が白出沢。
林道はここで終わりになります。
ココから先は山道の始まりなので、服の脱ぎ着や食料補給などは白出沢で済ませておきます。
ザックを背負い直し、空をみれば稜線がキレイに見えて…とっても素敵!
だけど…とっても遠いなぁ…
明日の朝はあの稜線上に乗っかれているかな?私。
白出沢から滝谷出合へ
白出沢を通過すると、道は山道になる。
ただし高低差はあまりなく、ほぼ平らな道を黙々と歩いて行く。
ですが、木の根っこや岩が転がる道なのでつまづかないよう気をつけよっと。
そんな登山道を1時間近く歩いた先に現れたチビ沢。
休んでいる人が多いと自分も休みたい気分になるが、白出沢で休憩をとったので我慢がまん。
ここから見上げる空の青さ…最高じゃない?明日は稜線上を歩く予定なので、明日もこのくらい晴れているといいな〜。
しそして私は空に別れを告げ、また樹林帯に入る。
今わたしは奥穂高の足元にいるのに周囲は木々に囲まれているので、奥穂高岳の姿が見えないというワジワジした感情を抱えつつ歩く。
するとね、何か標識が出てきた。
迂回路
って書いてある。
あれ〜数年前歩いた時はこんな標識なかったよ。
数年前歩いた道が今は歩けなくなっているのか?
山は変わらず…って聞いたりもするけど、山だっていつでも同じってわけじゃないよな。
倒木や道の崩壊で登山道も地味に変わっていってる。
迂回路左手には川が流れている場所もあった。
外国人が川でパシャパシャしてはしゃいでた。
だんだんとテント泊装備の入ったザックの重みで肩が痛くなってきた。
新穂高温泉からココまでで3時間ぐらい経過している。
私はテント泊ザックは極力腰で重みを受けるようにしているんだけど、登ったり下ったりしている内に腰への加重がズレて肩へ重みがのしかかっているコトが多い。
ザックの背負い方、もうチョット考えないと。
そして…歩き続けると…上方向に建物が見えた。
あの建物は…滝谷避難小屋
何度この前の道を歩いても一度も立ち寄ったことのない避難小屋です…。
この避難小屋のある場所が滝谷出合。
ココまでくれば、今日中に槍平小屋までたどり着けるハズ。
滝谷出合から槍平小屋まで
滝谷出合には川と橋を定点観測をするカメラが設置されている。
滝谷は大雨が降ったり・降った後は、渡れないことが多い。その状況を常時撮ってくれているありがたいカメラなのだ。
また、そんな状況の時は槍平小屋からTwitterやホームページで渡れませんって注意喚起されているので渡るのは止めておきましょう。
増水時、橋が流されているのに無理して渡ろうとして怪我をする人も居るらしい。
滝谷出合からはジャンダルムの特徴的なシルエットが見えるよ。
滝谷出合はだだっ広いので、この先に続く登山道方面をピンクリボンに導かれながら進んでいく。
滝谷出合を通過した先は再び樹林帯。
そして登山道スグ近くにある岩壁には藤木レリーフがつけられている。
あんまり考えないで写真を撮ったけど…藤木さんって…誰?
藤木 九三(ふじき くぞう、1887年(明治20年)9月30日 – 1970年(昭和45年)12月11日)は、日本の登山家であり、ロック・クライミング・クラブの創設者である。
wikipedia-藤木九三より
滝谷出合から先の道は登りが始まる。
3時間ほど歩いてきた疲れも出始めてて…どんどん歩みが遅くなり
どんどん人に抜かれていくようになる。
みんな足取り軽く…にこやかに登っていく。
今日中に槍ヶ岳まで行っちゃうんだろうな…もう、私には無理だ
って思いながら道をどんどん譲る。
進行方向に、またも現れた岩ゴロゴロゾーン。
石につけられた→マークを頼りに進んでいきます。
そして…また…樹林帯。
過去の朧げな記憶によると…そろそろ槍平小屋の近くに気がするんだけども、歩いても歩いても…
なかなか槍平小屋に着かない。
意を決してヤマップの地図で確認すれば…槍平小屋はもうチョット先だった。
思い出は近いが、現実は遠いぜ槍平小屋。
ちょっと座って休みたい気持ちと槍平小屋に着いてテントを設営してからとことん休みたい。
2つの欲望の間で揺れる気持ちを抱えつつ結局歩く。
小屋に近づくにつれ道はどんどん整備され、木の階段や木道が現れてきたよ。
もう確実に槍平小屋の近くに間違いない!
この時の時間は午前11時40分…頑張れば今日中に槍ヶ岳山荘まで行けちゃうかも。
でも槍ヶ岳山荘のテント場に着く頃にはテント場はいっぱいで張れず…殺生ヒュッテに張ることになるのは間違いない!
だから…無理して登らず…初志貫徹で槍平小屋に泊まるんだ!
過去に槍ヶ岳山荘のテント場泊まったし、殺生ヒュッテのテント場も泊まったじゃん。
だから今回は初めての槍平小屋に泊まるコトに意義がある
って自分に言い聞かせながら歩いたよ。
槍平小屋近くになると、ポカっと開けた場所に出る。あら〜ステキな場所!
上の写真、右真ん中あたりに茶色い建物見えるでしょう。あれが槍平小屋。
新穂高温泉からテント泊装備でゆ〜っくり歩いて4時間チョイで槍平小屋に着きました。
あ、そうそう時間は11時46分ね。まだ午前中よ。
さーて、この後は槍平小屋で受付して、テントを張ってのんびりとした時間を過ごすんだ。
次回「槍平小屋にテントデポで槍ヶ岳周回登山(3)」に続きます。
今回の山レポは山を登っていない、淡々とした樹林帯歩きだが…北アルプス中心部に向かうには、このような試練を乗り越えて行かねばならないのだ。
しかも帰りもな…。