おそらく混むであろう山の日・お盆を避けて、一足先に4日間かけて北アルプスの真ん中辺りを縦走してきました。私の登山歴史の中で一番長い3泊4日・テント泊の思い出です。
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014日間の時間を作った!どこへ行こうか?
週初め、山の週間天気予報を見ていたら…この週末に晴れマークがズラリと並んでいた…。
私は今の派遣先は極力休まない女だ。なので、休みたい時…上司は快くOKされ、休みを確保!
では、どこに行こうか?
燕岳経由で槍ヶ岳?
南アルプスあたり?
ん〜…そうだ!毎日アルペンが今年から折立行きバスを運行し始めたんだ…。
折立はよく聞く地域名だが、地理に疎い私にはハッキリと何処だかはわからない。
そんな私が公共機関を乗り継いで折立行くなんて無理だ。
この毎日アルペンの直通・折立行きなら、バスに乗ってしまえば新宿から折立まで私を運んでくれる、私はただ乗っていればいいだけ…
そう決まったら、急遽バスを予約。
無事に席を確保したら、地図を見て何処をどう歩くかを考える、地図で見る折立の場所は立山・室堂と新穂高温泉の中間あたり…。
折立から北アルプスの中心あたりを4日間かけて巡ろう!
…って私、4日間も連続で登山をしたことはありません。
ひとり登山なので服は着たきりでいいし、今回のコースは水場が豊富なので水の心配は一切ない…だが、しかし…
荷造りの時、ココが一番の悩みどころでした。
4日間の食事のうち、何食かは小屋で摂るとしても…行動食や非常食、朝・夜ご飯を考えると…食べ物だけで普段のテント泊装備ザックよりずっしりと重いザックとなりました。
毎日アルペン折立行きバスは夜11時頃に新宿を満員で出発しました。
久々に乗ったが…毎日アルペンのバスってこんなに狭かったっけ?と思うほど座席がせまい…。
ここの所お世話になっていたさわやか信州号の4人席の方がもっとユトリがあった気がする…。
隣の席の方がSAなどで私が離席する度に私の席に足を投げ出しているのは…彼女が悪い訳じゃない…席が悪いんだと、罪を憎んで人憎まず精神で過ごすことに…。
赤の他人の女性同士でもキツキツなんだから、男性同士なら大変だろうな〜と思いながら眠りについた。
折立は車が?人が?通行できる時間帯が決まっているらしく、バスは幾度も止まったりして時間調整をしていた。
そして、気がつけば…朝6時半ぐらいにようやく折立に到着。
02折立で登山準備
バスが到着し、立ち上がってみると予想以上にケツが痛い…。
バスからザックを降ろし、朝ごはんを食べながらパッキングのし直しなどをしていたら折立にあるキャンプ場で前泊をしていた人たちがアチラコチラから現れて登山口へ向かって歩いて行く。
そうか、マイカーなら前泊って方法もあるのね
私の今日の行動予定はこの折立から太郎平小屋を経て薬師峠キャンプ場までの5時間。
今はまだ7時なので、どんなにゆっくり歩いても14時までにはキャンプ場へ着くだろうとのんびりと準備をする。
空は青い。
実は直前の天気予報ではあまり良い天気予報ではなかったので、心持ち嬉しい。
まあ、明日になって天気が崩れたらピストンで折立へ戻ってくるさ
ここにはバスの乗り入れもしているが、折立から最寄りの駅までのバスの数がすごく少ない。
これは…乗り遅れたら大変だろうな。
身づくろいを整えたら、太郎平小屋への登山口へ向かいます。
そうそう、折立は携帯の電波は一切繋がりません。
そして公衆電話もありません…よってダンナへの「折立へ無事ついたよ!」連絡はできませんでした。
このことは事前に知っていたので、ダンナへその旨は報告済みです。
登山口手前には小さな小屋があり、中に入ってみると食事を取っている人たちがいました。
水洗の公衆トイレがあってとても助かります。
公衆トイレの前には自販機もあるので水分を忘れてきても、ここでも買えますね。
一緒に乗ってきた毎日アルペン号の方々がほぼいなくなった頃に登山準備がようやく終わり、私はやっと登山開始だ。
07時38分太郎坂登山口を出発
03折立から太郎平小屋まで
コチラの登山道はかなり整備されている。
道もはっきりとわかりやすく地図でいちいち確認しなくてもどんどん進めてしまう。
しかも平日だと言うのに登山道には登山者が途切れることなくちらほらといる。
おそらく今回のコースは(常人の場合)最低でも2泊3日のコースなので長丁場の人が多いのかもしれないですね。
人の気配と整備された道のおかげで熊鈴をつけなくても、熊の心配をせず進むコトができた。
でも…実は…知ってました?折立ってツキノワグマの出没情報があるんですって!
この太郎坂、ちょっと段差が激しいなと言う所には階段が立てかけられている。
それにしても…前回の針ノ木でも感じたことだが…今年の私は歩くのが遅い。
やはり歳なんだろうか…どんどん後発の人に抜かれていく。
急いで登ることが登山じゃない!と分かってはいても、数年前ならこんなにヘタってなかったのにと悶々とする。
それにしてもザックが重たい。
2週間前に針木岳でテント泊をしたので、体もザックの重みに慣れているだろうと思ったのだが…それは甘かったようだ。
前に比べれば4日分の食料の重みがあるが、前はその分の重みがあるアイゼンを入れていた…つまり、私の体力不足だ。
そろそろ…テント泊が辛くなってきた身体になったのかもしれませんね。
テント泊のザックを背負ってなければ軽々と歩けそうな坂道もほんとに辛い。
脳内で
ともう一人の自分と会話をする。
ふと、声をかけられた。
声をかけてきたのは、細身のちっちゃい山ガールちゃんだ。
そんな華奢な彼女の背負っているのはどう見てもテント泊装備を詰め込んだザック。
なのに、軽やかな足取り…スゴイカッコイイじゃないですか、アナタ!
どちらまで行くんですか?
の問いに、疲労で困憊した私は明確に場所を答えられず…彼女と別れて後に、「あの時こう言えば良かったんだー」としばし悶々とする。
そのまま上り続けていくと、この太郎坂の名所として大有名な「アラレちゃんの看板」が出てきた。
この看板だけは絶対に見逃したくなかったので嬉しい!
私の絵の基本は「鳥山明」さんだ。
子どもの頃、幾度も幾度もアラレちゃんの絵を描いた。
アラレちゃんを激写しまくったら先へ進むが…それにしてもザックが重たい、はっきりって辛い。
トレーニングをしているはずなのに、こんなに辛いなんて…あんまりだよとボヤきながら進む。
辛くても、ボヤいても、進めばいつかは目的地には着いた…待望の太郎坂の三角点です。
こちらの三角点にはベンチがあり、たくさんの人が休憩している。
さて、ここまできて空を見ると…すっかり山々が雲に覆われていて…凹む。
この先の天気はどうなるのだろう?
ここで休憩をとっても、この不安な気持ちでいるかと思うと落ち着かず…そのまま先へ進むことに。
三角点を越えると道の雰囲気がちょっと変わってくる。
今まで土の道だったのだが、石がゴロゴロした道になってきた。
また、上りも先程までに比べると多少は緩やかに…。
この先の登山道もきれいに整備されていて、場所によっては…登山道というよりは遊歩道みたいな道になっていた。
そして、ちょっと疲れたなと思うポイントで出てくるベンチが「休みませんか?」と幾度も誘惑してくる。
空が晴れていればとても素敵な風景だっただろうにと思いながら歩く
さっきのベンチから10分も歩いてないうちに次のベンチ…
折立まで行くのは大変だが、この登山道の丁寧さは…けっこう初心者でも登れる道だよね。
道の端々にも、このような看板がしきりに立っていて太郎平小屋までの距離を教えてくれます。
歩きやすく、緩やかな上りなはずなのに、ザックの重みで上りが辛く…一歩!一歩!一歩!ふぅ〜…という上り方で進む。
ちょっと空が晴れて遠くの風景が見えると、ちょっとやる気が出てくる。
風景の効果って絶大ですね。
このドヨンとした空も真っ青だったら、とっても素敵なのになぁと思いながらひたすら歩く。
初日からこんなびっくりするほど遅いペースでどうしよう…こんな辛くてどうしよう…私は雲ノ平まで本当に行けるのだろうか?
だんだんと不安になってきた。
その気持に同調してくれるかのように空も再びどんより。
私の心もどんより…。
歩き始めて4時間近くになると、抜いたり抜かれたりする顔なじみも出てくる。
結構苦手だったのは、私を抜いてから…すぐに休憩する単独・テント泊装備の男性。
彼が後ろにいるから、私は道を譲る。
そして歩きだすと…その先で休憩している…なので私が彼を抜く…。
数分後、また彼が後ろにつく…なので道を譲る…。
それを何度も繰り返し、なんだか嫌だなと思った頃に…彼は本格的にへばったようで、私を抜いた先で座り込んでしまった。
心の中で叫びながら彼から離れた。
その後もエッチラオッチラ進むと、ベンチに大量の人が休んでいた。
あ〜私も休んじゃおうかな〜?休んじゃってイイよね?と思う…が、大勢の中で休むのも落ち着かなさそうなので…進む…。
進む…。
ひたすら進む…。
とにかく進む…。
道標か示す残りの距離を数えながら進んだり。
足元に咲く高山植物(えっと花の名前わかりません)を見ながら進んだり。
水戸黄門の歌を脳内で歌いながら進んだりした。
それにしても…ザックが重い!幾度もしつこくってすみません、でもこの時の私はザックの重みに心底辟易していたのだ。
肩に痛みがでているわけではないので背負い方は間違っていないはず、ただただ、単純に重いのだ。
あーもう本当にしんどい!
そう思った頃にうっすらと小屋のシルエットが見えてきた。
やっと…やっと…あれが太郎平小屋だよ。
太郎平小屋が見えると足取りも軽く、木道をそそくさ歩く。
そしてとうとう着きました!
12時04分太郎平小屋に到着