朝日小屋を出発し、7時間半を一人で歩いてたどり着いた栂海山荘!ここにたどり着けば今日の辛いことは終わった〜!と思った。だが…だがしかし…辿り着いたその先に新たなる苦しみが待ち受けていました。
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記事一覧
ー 栂海新道をテント泊で縦走(1)山から海へ縦走
ー 栂海新道をテント泊で縦走(2)北又小屋からイブリ山そして朝日小屋へ
ー 栂海新道をテント泊で縦走(3)朝日岳から栂海新道に入る
ー 栂海新道をテント泊で縦走(4)栂海新道から栂海山荘まで
INDEX
01栂海山荘で休む
さあ、ようやく着いた栂海山荘…!
7時間半振りに、重たいザックを降ろして…へたり込む…。
そうそう、前回の北又の水場で頑張って水を汲んだワケは…栂海山荘は無人小屋なので水の提供はない…そして小屋近くには水場はなく、朝日小屋から来た場合、栂海山荘から一番の近い水場が北又の水場だったからです。
なので、ものすごく疲れていても、登山道から外れて北又の水場で水を補給する必要があったのです。
小屋の前にはバケツが置いてあって水が溜まっていた。
本当に最悪時に備えての雨水をためているのかしら?と覗き込んでみたら…
オタマジャクシがたくさん!
カエル嫌いの私としては見なければ良かったバケツでした。
で、ゴクウとベジーダの近くに座り、疲れていてあまり食欲もなかったけれどモショモショとパン1個を食べはじめる。
その光景があまりにも「哀れすぎる」と言われ…コーヒーを入れて分けてくれました。
頂いたコーヒーを飲んでいると…2人から信じられない一言が…
まだ12時台だから今日中に白鳥避難小屋まで行こう
はぁ?
ここから白鳥避難小屋までコースタイムで4時間だから余裕でしょ
はぁ?はぁ?はぁ?はぁ?
ココにいてもやることないし、タマゴさんがパンを食べ終わったら行こう
今日の行動予定は栂海山荘までって言ってたじゃん!
何?その行動予定???
何?2人間で勝手に決まってんの???
しかし、彼らの決意へ揺らがないようだ…。
ああ…行かなくちゃならないの?こんなに疲れているのに…周囲もガスっているのに…
で、私…今までの登山歴の中で最初で最後の弱音をココで吐きました…。
体力的限界もありましたが、やはり昨日の獣の鼻息がかなり精神的にきていて…ビクビクしながらもなんとか歩ける精神ギリギリラインまで来ていたんだと思います。
しばし考えこむゴクウとベジーダ…彼らの出した結論は
ははは…私が初・弱音を吐いても3人で一緒のパーティー行動はしないんだ!
こういう時にふと思い出すのが、大キレット・ジャンダルム縦走でご一緒してくれたKさんとベジーダが一緒に登った時の出来事…やはりベジーダが同じパーティーの女子がバテたのでテント場キープのために先に行こうとした時に…
と、彼に言ってくれたコトを思い出す…。
ワタシ的にはKさんの意見がすごく真っ当に感じるのだが…彼は何が何でもいい場所をキープすることに必死なようだ…。
まあ、人の登山に対する考え方は色々だけど…。う〜ん。
でも…ま、いっか!人の考えを自分の考えに合わせることなんて出来ないし
というコトでここから先は私はゴクウと一緒に歩き出すことに。
付き合って歩いてくれるんだから贅沢は言えないが…やはり本心は…
私がゴクウに連れられて歩き出すと、近くでテントを張り始めた男性がドナドナ歌に出てくる子牛(私)を見るような目で見ている…彼は犬ヶ岳山頂からほぼ一緒だったので、私のフラフラ歩きを見ていたんだと思う。
薄いほほ笑みで会釈しあってて…栂海山荘から出発した。
02栂海山荘から下駒ケ岳まで
そういえば…栂海山荘の中に一切入りませんでした…その発想すら思いつかなかったし、そうしようと思えるほどの休憩時間もなく歩き出したからかもしれない。
今、思う…。見ておけよ!私!
12時20分栂海山荘を出発
栂海山荘から白鳥避難小屋へ向かう道は栂海山荘の裏手にある。
まずは下り…。
ああ、下り道で良かったわ…。
あっという間に黄連山に到着。
ちょっと休んだお陰か?想像よりも楽に着いた。
そのまま道を進む。
さっきまで怯えていた草の茂みも一人じゃないと怖くないや!
でも、でもね…
ユックリ歩いてくれても早いんだよ!ゴクウ!
なんて言われても…姿が見えなくなるとアワワ!って思ってハイペースになる。
そしてついた黄連の水。
コチラも栂海山荘の水場になるんですね。
北又の水場で汲んだ水がタップリあるのでココでは汲みませんでした。
とにかくこの栂海新道…私はアミノバイタル系のサプリをかなり摂取しました。
もちろんココでも。
ゼリーを飲み始めるとゴクウも
邪魔?…荷物の邪魔だから飲むだと…?そんな理由でドーピングする…?
邪魔だったら…私が飲んでやるよ…許せない!
このセリフ、本当に本人に言いました。
私の悪舌を笑って、飲まずにゼリーをしまってくれましたよ…こんな罵りをさらって流してくるいい人だ…。
けれでも…私の中では仲間であるはずのゴクウが敵に見えてくる…。
さて、再び歩き始める。
気を抜くとすぐにゴクウの姿が見えなくなるのでヤバイヤバイ!
てか…ケツ持ちって私の後ろを歩いてくれるんじゃないんだ…ははっ…ふぅ…。
ゴメンナサイ…愚痴が多い山レポで…でもね、こんな愚痴ばかりになるような精神的・体力的限界状態だったの…。
そして次のピークの菊石山に到着。
ここまでもわりかし順調でしたが…うん、やっぱり疲れがじわじわと足取りを重たくさせていく。
そうだよね〜栂海山荘にたどり着いた時点で今日はもうグロッキー!と思っていたのに…。
その点を越えて今歩いているんだもの。
ゴクウは実際、かなりペースを落として歩いてくれている。
そのお気持ち…わかっているけど、全く追いつけない〜!
だんだんと私の頭の中で妄想が広がってきた。
あの体力が欲しい…今、私とあの人の身体が入れ替わったら私の苦しみが奴にも分かるはず…。
そう…私が…私がギニュー特戦隊のギニュー隊長だったなら…
と叫んでゴクウと身体を入れ替わってやるのに…。
そんなアホな妄想をして歩いていると…あっという間に差が広がる!ひい〜!
この先の下駒ケ岳へ通じる登りがかなり急でした!
弱った身にはほぼ垂直見えたこのハシゴ…あまり安定しておらず…グラグラで怖い〜!
本当に急で、足元の土がズルっと滑る!
実際、ゴクウも足を滑らせて石に脚をぶつけて、タイツに穴を開けたそう。
登り終わった辺りで反対方向からトレランの男性がやってきたけれど…無事に下れたかしら?と思うほど急でした。
そして疲労と急登と戦いつつもようやく着いたよ…
14時28分下駒ケ岳に到着
蓄積された疲れと、今の急登でかなり参っています…。