大天井ヒュッテから大天荘までの分岐点までを歩くのは、実は初めて。大天荘分岐から燕山荘まではもう何度も通ったので余裕だわ〜と思っていたのですが…今回が一番つらい大天井エリアから燕山荘までの歩きになりました。
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喜作さんゆかりの道を通って…大天井ヒュッテから喜作レリーフ
さあ!今日は燕山荘でテント泊だ!と決めたら、さっさか出発!
11時32分大天井ヒュッテを出発
まずは大天井ヒュッテすぐの上り階段をトン♪トン♪と登る。
登りやすい階段なので、どんどん上り、あっという間にさっきまで居た大天井ヒュッテを見下ろす場所に到着。
…そうだったら良かったのに。
大天井ヒュッテから5分ほど登れば、大天井岳と燕岳方面への分岐点。
えっと…槍ヶ岳から7.5キロ歩いて…え?燕岳までも6キロもあるの?
今まで歩いてきた距離の倍弱???
でも、確か…そんなに激しい上り下りのない登山道だから…楽勝でしょ!!
今回は大天井岳を登らないので、大天井岳を見上げて左の道を選択します。
大天井岳には多分…5回ほどは来ていると思うんですが、今回ここのルートを通るのは初めて!
ちょっとワクワク。
怖いとまではいかない岩場の道をトラバースしたりしながら進みます。
これから歩いていく長い長い道が前方にどーんと見える。
あら!左手奥にダムっぽいモノが見えますね!初めて気がついた!
木のはしごが現れたので降りる。
大天井岳を登らず、グルっと巻いていくだけだから楽々な道だろうと思っていたのですが、そこはやはり山!
小さいアップダウンを繰り返しながら歩くんです。
さっきハシゴを降りたのに、今度はハシゴを登る。
その先に現れたのは鎖場。
こんな楽しい道もあるなんて…鎖場好きにはサプライズ登山道ね!フフ。
この鎖場を越えた先にあった看板。
油断して、甘く見て滑落しないように気をつけよう!
ここら辺から、朝方居たであろうエリアを振り返ってみた。
ああ…懐かしいけれど…
その後も延々と大天井岳を巻いて歩く。
時折急な下りもあるので、結構飽きない道でしたよ。
ただ、ただね…だいぶ疲れていたみたい。私。
そりゃあそうだ。だって朝5時に槍ヶ岳山荘から出発して6時間近く山道を歩いてきたんだもの。
と思いながら歩いていました。
途中で…登山道に落ち…置いてあったトサカ岩の看板。
多分…下の写真の真ん中上の岩なんじゃないかと思うんですが…どうなのかしら?
こうして歩くこと30分ほどで…やっと、やっと着いた〜大天荘との分岐点。
ここから先は、まあ、だいたい知っている道。
その後はたらたら歩いて燕山荘!
ちょっと心持ち安心になる。
ただ、ガスがかなり湧いてきたことが…ショボンだねぇ。
まあ、だいぶ疲れているので…一刻も早く燕山荘に着いて、そうしたら…
テント場の申込みして
張る場所探して
テント張って…
ザックの中身出して…
ううう…楽しいビールタイムまで、まだまだやることいっぱいだ!
大天荘との分岐点を燕岳方面へ歩き出してスグにハシゴとハシゴの谷間に入る。
なんで急なハシゴを降りて、更に急なハシゴを登るんだよ〜と毒づきたくなる谷間だけど…お楽しみもあるのよ!
それはね…
喜作レリーフがこの谷間にあるの!
こちらの喜作さん、超温和な顔で描かれていますが…実物はどんな人だったんだろう?
ここら辺りを調べて、ブログでマンガにしてみるのも勉強になりそうだけど…
実在の人間をマンガにするのは…かなりリスキーだから…う〜ん(^_^;)
最後の登り…喜作レリーフから大下りの頭
喜作レリーフの下で行動食を食べたら…ハシゴを登るぞ!
このハシゴ、登りきった場所が鎖場になっているので、登山初心者だとドキドキゾーンかも。
ハシゴを登りきると、しばらくは左手に槍ヶ岳を見ながらの楽しい稜線歩きのハズ…が。
ガスがかなり湧いてきましたね…。
雨は降らなさそうな空模様ですが…青空が…槍ヶ岳が見たかった。
だって、槍を見ながら槍から遠ざかる表銀座逆走なのにー!
振り返ってみると大天井岳辺りは完全にガスの中…。
今、本当にしんどくて、実はちょっと
そうしておけば今のこの時間…テントでビールだったのに…
って思っていたりもしたけれど…。
うん。まあ。頑張ろう!
この稜線はほぼアップダウンもなく、楽しい稜線なんですが…だいぶ疲れが溜まってきていて…虚ろに歩いた。
時折現れるプチ登り…。
そして、先が見えない登山道に心がしおしお。
ここ数年、北アルプスのちょっと奥地へも登山をするようになって感じるのですが、中房温泉〜燕山荘〜大天井岳までは登山道がすごく整備されています。
さすが北アルプスの入門コースと言われるだけありますね。
そろそろ稜線歩きとはお別れ。
再び樹林帯をちょっと歩きます。
樹林帯に入り始めたら更にガスがもわ〜んと。
茂みの多い樹林帯は一人で歩いていると…熊が出たら怖い…と今でもいつでも思い、周りにドキドキしながら通過する場所です。
この短い樹林帯の中も小さいアップダウンダウンダウンをしながら標高をちょっと下げる。
下げながらも…これから先に登る上りがチラチラ見えるので
と山に祈るが、下る。
完全に樹林帯に囲まれきったゾーンまで下がりきったその先に…
写真に撮り忘れたけれど、目の前に急な上り斜面が広がっています!
それは…大下りの頭への登り斜面。
そう、ここから本日のコースで最後の急登に挑むことになります。
とはいえ、今まで登った…そう!
昨日登った千丈乗越から槍ヶ岳への登りに比べたら…たいしたことないや!
でも…やっぱ辛い…
燕山荘に着けば、もう歩かないから…登りはない。
今日は燕岳まで行かないから、登りはない。
だから最後の登りだ…
そう脳内でつぶやきなら、一歩一歩ちまちまと登り…
大下り頭に到着〜!
13時54分大下り頭
よし!今日の登りはコレでおしまい!
あとは燕山荘までダラダラ歩こう!
本当にしんどかった…大下り頭から燕山荘
大下りの頭まで登れは、さっきお別れした北アルプスの山々と再び再会!
見返すたびに
と感慨深い。
その感動に浸りたいところですが、本音は疲労が相当たまり…
のが真実。
どうやら大下りの頭を登りきって、私は自分の体力・気力を使い果たしてしまったようだ。
ここから更にグッとペースが落ちた。
大下りの頭から30分ほど歩いた場所にある次のポイントの蛙岩付近は岩場。
この岩場で微妙にルートを間違える…。
何度も通っているルートなのに…間違えるとは…やはり疲労は判断力を鈍らせるのね…ああ、このルートでまだ、良かった。
ふと蛙岩を振り返ると、今通ってきたルート以外のところに「冬ルート」の文字が。
へーえ。冬と夏だと通るルートが違うんだね〜。
蛙岩から燕山荘までは約1時間…
長いなあ…。
見ての通りのなだらかな登りなんですが…もう、全くダメダメでナメクジのようにノロノロと、ちょっと歩いては立ち止まり休憩と…ヨレヨレしながら足を進めました。
そんなに疲れているなら、一度思い切って休めばいいんですが…一つ懸念が…
ええ、そう。
燕山荘は人気の山小屋。
燕山荘のテント場も人気のテント場。
いくら平日・金曜日とはいえ、時間もすでに14時半。
その不安が私を休ませるコトなく歩かせます。
ここら辺を探索にきたファミリーが私のちょっと手前で折り返して燕山荘へ戻っていく。
推定5歳ほどのキッズにもどんどん引き離される私の足。
足も重けりゃ、ザックも重い、そして何より自分が重い〜!
余裕があれば、くるくる変わる空の雲を見ながら歩くこの登山道なのに…
歩いても歩いても一向に近づかない燕山荘を睨めつけながら歩き…
ああ!見えた!
待望の…燕山荘と燕岳の分岐点〜!
15時40分燕山荘と燕岳の分岐点に到着
分岐点を見ると、燕山荘〜中房温泉間は5.5キロ?ってことは大天井ヒュッテからココまで6キロだったんだから…そりゃあ…距離あったよね…。
ココで一休みしたいところですが…急いで燕山荘へゴー!
時間は15時半過ぎ…テント場の受付が締め切られたら大変ですもの!
この分岐点から燕山荘までは石の階段を登るだけなんですが…この石の階段を登るのが激しく辛い…!
で燕山荘に入り…受付でテント泊のお願いすると…
まだ、テント張れる場所あります?
とのショッキングー!な一言…。
急いで外を見る。
確かにテント場はいっぱいだ…。だが、だがしかし!
私の小さいテントエアライズワンを張れる場所ある!
張れます!
こうして、無事幕営許可をもらい…テント泊の権利を得た!
そして今度はスタコラサッサとテント場へ駆ける。
………
安心してください。
無事、テントを張ることができました。
その後の燕山荘での過ごし方、下山は次回「槍ヶ岳・表銀座をテント泊で縦走(8)」に続きます。次で最後だよ〜。