双六小屋にたどり着き、ようやく登ったり下ったりから開放された私。場所も水も風景も豊富な快適な双六小屋のテント場で…ちょっと不快適な夜を過ごすことに…。
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ー 単独テント泊で巡る、上高地から槍ヶ岳そして双六岳へ(1/5)
ー 単独テント泊で巡る、上高地から槍ヶ岳そして双六岳へ(2/5)
ー 単独テント泊で巡る、上高地から槍ヶ岳そして双六岳へ(3/5)
INDEX
01うっかり登ってしまった双六岳
目の前に双六小屋が見えてきたことで足取りも軽くなり、赤い屋根と後ろにそびえ立つ山を見ながら双六小屋に到着。
11時20分双六小屋に到着
双六小屋は大きく、水も豊かなおかげか?穏やかな雰囲気の山小屋だ。
テント場の受付を済ませて、テント場へ行けば場所はまだまだ空いていてどこにでも張れそう。
ここのテント場はとても広い上に、どこもだいたい平坦だ。しかも水も無料とテント泊をするには好条件が揃っている素晴らしいテント場。
その中でも斜度が少なそうな場所にテントを張り終え、ダンナに今日の目的地に着いた事を連絡しようとしたら…ドコモですが電波が立たない。
と思いながら双六小屋へ移動するが…やはり電波は届いていないようだ。
双六小屋の衛星電話の近くに貼ってある説明書きによると…(2013年時点)ここら一帯は携帯の電波が入らないらしい…。
電波の届く範囲はココだよ地図を見ていると、双六岳の近くであればかろうじて入りそう?
あ!もしかして…!さっき縦沢岳に居た女の子は…携帯の電波を求めて縦沢岳まで登っていたのかしら!
やっと双六小屋に着いたばかりだし、お昼を食べてから双六岳に登る予定だったので、とりあえず電波の届く範囲まで行ったら引き返そうと決めて小屋の脇から登ると、一旦平坦な所に出た。
そこには「中道」を指す道標が…地図で確認すると中道は三俣山荘への巻き道と記してある。
巻道なら道もユッタリなハズと思い、電波の繋がるポイントを探して歩きだす事に。
山頂で繋がるなら、辿り着く前のどこかでも電波が繋がるはずと思いながら進むが、なかなか電波は入らない…。
途中、水が湧き出ている場所があったのでココで水を飲む。
この中道から見える景色も開放感があってステキ!
周りをキョロキョロ、手元をチラチラしながら歩いているうちに…あら、結構双六小屋から離れちゃった…。
おそらく、双六小屋から双六岳のコース半分まできちゃった。
ここまできたら双六岳山頂まで行っちゃおうかな〜…でも、でもね…。
そう、槍ヶ岳から出発して以来、お菓子の行動食以外は口にしていなかった。
そりゃあ腹も減るよ!
戻ろうか?進もうか?しばし悩む。
と悶々としつつも、ココまで来ちゃったから山頂まで行っちゃえー!と歩みを進めることに。
たいしたことない斜度、むしろ楽しい登山道なのに激しい空腹で辛い〜!
テントの中に置いてきた、あのお菓子やこのお菓子を持ってくればよかったと腹の虫が鳴く腹を抱えながらフラフラと進む。
すれ違うあの人、この人…アメの一つでも恵んでくれないかな〜と思いつつも、弱々しく「こんにちは」を交わす。
ちょっと岩の多い道を登ったら…ようやく山頂部分の一端に出た。
双六岳はだだっぴろい山頂なので、ついた場所がピンポイントで山頂というわけではない。
ちょっと離れたところに見える標識を目指して再び歩く。
それにしてもだだっ広い山頂だ。
山と高原地図を見ると、道迷いに気をつけろの表示が記してある。
確かに、完全にガスに巻かれたり、雪が降り積もるシーズンだと、目印になる木や地形がわかりづらく迷うな。こりゃ。
ガスもチラホラ出ているし、激しい空腹に耐えきれないので
なんとか立った電波を頼りに、急いでダンナに報告メールを出して山頂を去り、来た道を戻ることに…。
ふと見ればガスの曖昧から槍ヶ岳…。
森のくまさんの歌詞みたいに「お嬢さん♪お帰りなさい♪」と言われている気になって、そそくさと双六小屋へ帰ることに。
視界不良時道迷い多しの言葉にびびりまくってます。
まあね、よくあることだけど…下山を開始して、しばらくしたら山頂が晴れてきたよ〜!
あと5分山頂にいれば…と思うが、悔いても仕方ないので登ってきた道をそそくさと帰った。
小屋の近くまで戻ってくればテント場が上から見える。うん、だいぶ埋まってきたね。
先ほど縦沢岳から降りてきた斜面も目の前に広がっていた。
02双六小屋テント場での孤独感
双六小屋に戻ってきたら、生ビールを購入し一息。
よし、テントでお昼寝をしよう!と思いテント場に戻ると…恐るべき事態が発生していた……
私のテントを取り囲むかのように集団がテントを張っていた…。
どうやら6名らしいが、それぞれが単独テント。
それらが私のテントを挟んで、ああでもないこうでもないと会話が弾んでいる。
しかも、その6人ってばさ…20代中盤の男3女3のどう見てもはしゃぎたくなるよね〜っていう組み合わせ!
服装だって今時の山ボーイ、山ガールだ。
ううう…なんでこんないやらしい張り方をするんだよう〜。
お前が変な場所に張るからだろうって?
でもさ〜到着した時はテント場ガラガラだったんだもの
彼らのスキを見て、自分のテントに潜り込む。
外からの楽しい声が、ひとりの私の孤独に拍車をかける。
彼らの会話がはずんでいるのが否応なしに聞こえてきてしまい、彼らの人間関係に思いを馳せる…。
どうやらリーダーA男に女子D子とE子はアプローチしていて、B男は既婚者、F子はココの男性陣に興味がなく、C男はメンバー全員からうざかられている?A男はF子に好意的だ…。
双六小屋のテント場で恋愛ドキュメント番組が外で繰り広げられている。ちょっとした恋愛ネタでも書けそう…。
聞き耳立てたくなくても、ペラペラのテントでは遮音性は皆無に等しいので、聞こえてきちゃうんだ。これが。
晩ご飯もこのテントを取り囲んでやられたら辛いな〜と思っていたら、どうやら双六小屋の前のテーブルで大宴会らしい…よかった。
彼らが居なく鳴ったスキにテントからでて、急いで晩ご飯を食べる。
そして戻ってくる前に就寝。時間は19時半。
明日は新穂高へ下るだけだから5時ぐらいに起きてゆっくり出発だ。
タップリ寝るぞー!
そして明日はたっぷり風呂に入って、二日間歩いた結果のこの臭さとおさらばだ!
…
……
………
と思っていたのにー!
なにやら、周囲が騒がしい。
どうやら6人組が一斉に起き出したようだ。
時間は2時半!
マジかよ〜!
四方八方からシュボッ!シュボッ!とストーブを点火する音がしてお湯を沸かす音がする…もう笑うしかない…。
頑張って寝直したが、テントを片す音、ひそひそ声に眠りを妨げられて結局3時半には観念して起きる。
テントから出るとグループは各々パッキングを終えたら、三俣山荘方面へ向かってスタートして行くらしい。
私もテントを撤収しながら横目で彼らを見ていると、C男がひとりでパッキングに苦しんでいる…時間は朝4時15分…。
荷物が入らない〜
その言葉を受け止めてくれる人は誰もいない…。
なんだろうこのいたたまれない雰囲気。
あ、私がスキーで幾度も経験したあの雰囲気だ…頑張って準備している、準備していることに夢中になっている間に置いていかれて、ひとりで乾いた笑いをしながら…なんで私こんな気持ちでこの場所にいるんだろう…?うわぁ!過去の嫌な思い出がにじみ出てきそう!
まだ日は登りきらず、周囲は暗いが、やることもないのでご飯を食べ、テントを畳み、新穂高へ出発することに…。
C男さんまだ出発できてない。
心のなかで応援の言葉をかけ、双六小屋のテント場から歩きだした。
こうして予定よりずっと早く新穂高温泉へ向かって下山を始めた私ですが…その下山中、身体の不調に襲われて大変なことに…「単独テント泊で巡る、上高地から槍ヶ岳そして双六岳へ(5/5)」に続きます。
あ〜やっと次でお終いです!