雨の中登った薬師岳。登っている時は薬師岳に着いたらピストンで折立へ戻ろうと思っていたのに…山頂到着と共に雨は止んだ。あんなにピストンで帰ろう!と思っていたのに…この状態になると…先に進んじゃう乙女心…わかってもらえますよね〜?
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▶ 01話…折立から室堂へ単独テント泊縦走(1)準備編
▶ 02話…折立から室堂へ単独テント泊縦走(2)太郎坂編
▶ 03話…折立から室堂へ単独テント泊縦走(3)薬師峠編
▶ 04話…折立から室堂へ単独テント泊縦走(4)薬師岳編
北アルプス深層部へ…薬師峠から北薬師岳へ
山頂で小休止をしたら次の目的地の北薬師岳へ進むことにします。
雨はすっかり止んでいたのでレインを脱ごうかどうか悩みましたが…来ていても不快でなかったので、着たまま歩きだすことに。
つぎの目的地の北薬師岳の標高は2900m。
薬師岳より26m低いんですね。
ちなみに薬師岳から北薬師岳までのコースタイムは約30分。
さ〜!行くよ〜!
と、思って歩き出した途端…。
雨が降ってきた。
シトシトではなく、ピシピシと雨が降ってきたよ〜!
なんでー!
う〜ん、帰ろうかとさっきまで居た薬師岳方面へ戻りかけたが…。
でも、さっきも天気が回復してたし…確か…昨日見た天気予報だと今日の天気は回復予報だった…。
せっかく先へ進む気になっていたし…行っちゃう?
行っちゃえ!
3つのお天気予報サイトを見ての天候回復予報と風が全くなかったので下した決断でした。
この先の天気回復を信じつつ歩き出しましたが…
ええ、ええ、見ての通りのガスッガスでしたよ。
風景なんて何一つ見えやしない!
それでもペンキマークはいたるところに付いているので不安を感じることなく歩けました。
雨が止まないかな〜?と願いながら歩いていると、雪渓近くで雷鳥がテクテク。
雷鳥は基本悪天候の時に現れると聞くので、雨で周りが見えないのは残念だけど雷鳥が間近で見れたので良しとしよう!
え?ボケボケで雷鳥がよくわからないって…?
でもねえ、野生動物に近寄ってはならないのよ…遠くから、雷鳥のお邪魔にならないよう撮影をがんばったのよ。これでも。
雷鳥を離れて見ていると、後ろからカップルが…。
一人佇む私の近くをそ〜っと通ろうとしたので
すると、
女子、大喜びで記念撮影。
男子、そんな彼女を微笑ましく見守る。
そんな初々しい登山カップルからそっと離れ…
と、先を急ぐことに。
※私は「ジョジョの奇妙な冒険」が大好きで、ここもその名シーンから頂いたのですが…私のブログを読んでくださっている方…ジョジョを知っているのだろうか?(^_^;)
その先もペンキマークを見ながら確認しながら…ゆっくり歩きます。
今日の薬師峠からスゴ乗越までの行動時間は多く見積もっても7時間。
朝4時半に出たんだから、ちんたら歩いても12時ぐらいには着くはず、急ぐことなどなにもない。
変に焦って転んだり、道迷いしたら嫌ですもの。
薬師岳から北薬師岳の区間は基本的に岩稜帯です。
なのでガレ場に岩場に…歩きづらいし、神経を使います。
晴れていれば薬師岳〜北薬師岳間はスグ近くに感じるぐらいに見えるらしいですが…今日の天候では全く見えないのよね。
事前に調べた情報によると、今回の折立〜室堂間の縦走ルートの中で、この区間が一番の危険ポイントって書いてあったので…
と怒り嘆いていました。
※この先にも難しいルートはまだまだありました(^_^;)
痩せた石だらけの尾根道まで登場してきた!
通過するのに難しいことはありませんでしたが場所によっては切れ落ちている場所もあるので、油断大敵です。
この途切れることないガスと岩に心がなえなえ過ぎていて
と地図や時計をチラチラ見頻度が激しくなってきた私。
また、このルート…人が少ないですね…。
薬師峠から薬師岳へ向かう間に同じ方向を歩かれて、私を追い抜いていった方は10人も居なかったと思います。
なので、反対方向からとはいえ人と遭遇できると嬉しくなります。
ずっと無言だったため
の声もかすれ気味でしたが…。
そして、このドヤッ!って感じのペンキマーク…癒やされます。
雷鳥を見た時よりも癒やされます…。
晴れていれば薬師岳の山頂から見ることができない、ここのルートを通った人だけが見れるカールが美しいそうなのですが…
はい、何も見えず。
北薬師から見る薬師岳と剱・立山方面の展望も素晴らしいそうなのですが…
はい、何も見えず。
今回ガスっていたことによるメリットは…ん〜
展望がないので、岩場の切れ落ちた先が見えないので恐怖を感じづらい
のと。
先に続く登り返しが見えないから、ああ!この先にあんな登りがくっきりハッキリ見えるショックが少なかった
こと。そう思うことにしますよ。
さて、最後にこの岩場を登りきったら…
8時55分北薬師岳に到着
薬師岳を出発したのが8時10分。
コースタイム30分のところを45分もかかって到着です。
テント泊装備で元々ペースが遅くなっているのと、悪天候による気分の低下が大きく影響したんだと思います。
北薬師岳の山頂からもまったく!もう!何も見えない!
それでもまあ…山頂につけば嬉しいものです。
また…機会があったら…晴れた日にリベンジしたい薬師岳〜北薬師岳間でした。
ここまで来たら進む…北薬師岳から先へ
さて、北薬師岳についたら再び地図を広げて脳内会議。
本当に先へ進むか?
コレ以上進んだら、今日中に折立へは戻れないぞー!
ここで戻るか?
でも、せっかくココまできたんだぞー!本当に戻るのかー?
と、2つの意見が頭の中でグルグル〜!
あまり広くはない北薬師岳山頂。この場所に前からいたグループ、後から追いついて来たカップルと…だんだん居づらくなってきたので。
と、スゴ乗越方面へ歩き出す。
ココまで来たら、今夜はスゴ乗越で泊まり、明日は五色ヶ原で泊まる。
腹はくくった!温泉は水洗トイレは明後日までお預けだ〜!
まず北薬師岳から稜線沿いに下っていきます。
下り始めると、また雨がピシピシ…カメラレンズに付いた水滴も気になりますが、その水滴を拭き取るより…まずは自分の足元確保が優先なので水滴だらけの写真になってしまいました。
ある程度下ったら…また登り。そんな事の繰り返しが続きます。
北薬師岳から次の目的地のスゴ乗越まで800m程下るんですが…ただ下るだけじゃないってところが…厳しいわね!
気がつけば先程のカップルが近くまで迫ってきています。
後ろの人を気にして歩くのが嫌なので、道を譲ると…そのちょっと先で写真撮影?で立ち止まり…仕方がないので抜かせてもらったら…また追いついてきて側に…が…う〜ん…プレッシャー(^_^;)
朝の4時半に薬師峠を出発し、すっかり疲労も溜まった現在ですが…何度も現れる登りにだんだんとやけくそになってきていました。
先がよ〜く見えない分…コレを登ったら終わり?
で、登りきった場所から次のピークがうっすら見えるを幾度も繰り返し…
って開き直っていました。
でも、おかしいわね…本来ルートはスゴ乗越へ向かって下っているはずなのに、登りの写真ばっか。
どれこもこれも似たような写真になってしまい、読んでくださっている方も正直飽き始めているでしょうが…
私もここまで似たような写真ばかりだと書くことがありません…。
やけくそになって登った大きい岩が連なる岩場の先にも
また、登りなんです〜。
まったくご褒美のない登りコース…。
先行きが見えない進行方向を見て…しょげる。
それでも歩かなければ、スゴ乗越には着かないし…で、トボトボ歩いていたら…
と笑みを浮かべかかった時に
また降り出す雨〜〜〜!!!
写真にうつる水滴のにじみは私の心の涙のにじみ。
そう思って、このお見苦しい写真を許してやってください…、
この先も雨とガスとカップルを抜いたり抜かれたりしながらトボトボ歩きました。
雨の中…希望が!
すっかりしょげきり
…と歩いていると…あれ?
なんか…晴れてきた?
ううん!!だまされないわよ!
朝イチのテント場、薬師岳山頂…雨が止んでいる状態に騙されてきたじゃない!
朝からココまでの歩きで信じる心を失ってしまった私。
でも、でもでも…これは、今回だけは信じてもイイかも…?
と、思い始めた途端…みるみる空が晴れたのよ〜!
いやぁぁぁ!なにこれ〜!素晴らしい!
ほんと、めっちゃ!劇的に晴れ上がりました!
写真を撮影した時間で見るに、たかが5分ほどの間にですよ!
私…今までこんな素敵な風景に囲まれて歩いていたの!
ただただ、空を山を見て薄ら笑っていたら…後から走ってきた外国人のトレラン女性も素敵な笑顔で「Hi!」と挨拶してくれた!
ああ…なんて鮮やかな、気持ち良い、素敵ブルー!
さっきまで憎んでいた雲との兼ね合いもいい感じ!
一気に雲が晴れ、登り返しもほぼないこの稜線歩き…最高でした!
もうね〜今までの凹んだ気持ちの反動もあって、笑いが止まらない!
ニコニコしながら歩いていましたよ!
前を歩くカップルと鉢合わせしないように…幾度も立ち止まりましたが、それすらも楽しい。
止まっては周りを見回して…
と自己陶酔。
そして、カップルが間山を通過したようなので、そそくさ登る。
標識は登山道からちょっと離れた場所に間山の標識がありました。
10時34分間山に到着
あ〜最高の状態で間山山頂に着くことができて良かった!
今日の行程は…スゴ乗越小屋まで下るだけ〜!
天気も回復したし、気分も足もこの後はお気楽〜!
次回「折立から室堂へ単独テント泊縦走(6)スゴ乗越」に続きます。