2日目の夜は水晶小屋で英気を養い、3日目は過去にも歩いた鷲羽岳、三俣蓮華岳方面を歩いていきます。過去にも歩いたからこそ知っているけど…ココらへんは景色は最高!…でも登ったり、下ったりが続いていくのよね〜。
水晶小屋の夜
夜の20時には水晶小屋2階の指定された布団に潜り込んだ。
一人一枚の布団は最高!
しかもけっこう寝やすいお布団…こりゃあよく眠れるぞ〜!と思ったんですが…
今日は奥黒部ヒュッテから読売新道、そして赤牛岳、水晶岳と延々と登り続けてきたのだから、布団に入ったら即爆睡!って言いたいところだが
神経質なタイプ?いいえ!私はかなり大雑把。
泊まりのスキーでは人の話し声が気になって眠れないと言う友人たちの中で、唯一1人爆睡を誇る私なのに
なんだか人の気配が気になる。
ちょっとした明かりや誰かの足音の響きで目が冴える。
そして、寝ようと焦れば焦るほど眠れない。
余計なことばっか考え出す!
うーん…テント泊と小屋泊…明らかに小屋泊のほうが楽なのに…
こうして寝ては起きを繰り返して…
朝3時。起床。
上の写真は確か…消灯前に急いで撮った写真かな?
実際は真っ暗中、手探りで袋に入れておいた貴重品やヘッドライトなどを入れた袋を持ち、寝る前にシミュレーションしておいた道筋をたどって1階に降りる。
1階のザック置き場で身繕いをととのえ、自炊ゾーンでそそくさ朝食を食べました。
今回の水晶小屋は晩御飯だけ付けて、朝ごはんは付けませんでした。
さあ!出発だー!!!と、水晶小屋から出てみたら…空はなんだか薄明るい。
水晶小屋の明かりだろうって?ええ…確かこの頃は朝の4時ぐらいだったけれど…
水晶小屋の炊事場の明かりはついていたわ。
でも…そうじゃないの!
そう!この日は満月!
まあるいお月さまが明るく夜空を照らしている。
ほえ〜!と思って見ていたら、後ろに居た水晶小屋の男性スタッフさんが
めっちゃ満月、やべえジェイソンでるぜ〜!
と笑って話しかけてくれ、明るく見送ってくれました。
うふふ。なんて素敵な水晶小屋!!
お客が少ない余裕のある時だったからかもしれませんが、茶目っ気のあるフレンドリーなスタッフさんのおかげで楽しい思い出に包まれて山小屋泊を過ごすコトができたことをずっとずっと感謝しています。
ここから先の登山道は過去にも歩いた道。
記憶があるおかげで心持ち安心感を保ちつつ、でも用心しつつ歩きはじめます。
水晶小屋からワリモ岳まで
水晶小屋からはワリモ方面と野口五郎岳方面の2方向へ行ける。
私が進むのはワリモ岳経由の鷲羽岳。
4時30分水晶小屋から出発
まず水晶小屋からワリモ岳方面は下り道になります。
道はハッキリしていて迷うこともない道に見えますが、ヘッデンで照らしていなけば…真っ暗な道。
用心して、一歩一歩を確信しながら下っていく。
真っ暗な中歩くのは怖いけれど…昨日の奥黒部ヒュッテから読売新道の暗黒樹林帯に比べれば…全然ヨユー!
ここら一体は緑に囲まれた爽やかロード。
高山植物や、池などもあるんですが…真っ暗なので見えない〜!
でも!
このまん丸お月さまに導かれるように歩く山歩きもミステリアスで素敵じゃない?
水晶小屋を出たあとの次ポイントのワリモ北分岐近くになると、岩場になってくるので足元に気をつけながら歩きます。
また、ここら辺からちょっとずつ、登り道になってくるので…ご覚悟を!
5時3分ワリモ北分岐に到着
ワリモ北分岐は雲ノ平や黒部川源流地点方面への分岐点。
この先にあるワリモ岳を経由した鷲羽岳山頂のその先には三俣山荘があるんですが、そのルートは暴風や突風による怪我や低体温症などの事故が多いので悪天候時は避けたほうがよいそうです。
悪天候時にはこの分岐点にある黒部源流コースを選択して三俣山荘へ進む方が良いと書いてあります。
黒部源流コースの方が地上からの風が遮られるコースともありますが、遭難事例の中にはこの黒部源流コースで転倒して体を濡らしてしまって低体温症になった事例を読んだことがあるので…100%安全な道ではないです。
まあ、どこを歩くにしても無理な選択はしない、常に危ない場所を歩いているという危機感を持って歩かなければダメなんですね〜。
私もついつい調子に乗って事前調査を怠って間違いや痛い目にあることがあるので…気をつけよう。
さて、今回は天気も良いし風もないので鷲羽岳へ向かって登って行きますよ〜!
正面手前にワリモ岳、左奥が鷲羽岳が広がっています。
黒くて分かんないけど。
そして、気がつけば周りはどんどん明るく・・・!
ああああ!夜が明けちゃう!
ワリモ岳分岐からワリモ岳方面へ少し登ります。
ゆる〜く伸びていく上りを歩いていくと
5時27分ワリモ岳に到着
ワリモ岳の標高は2,888m
名前の由来ですが、ワリモ(割物)岳…つまり割れ物山?
頂上付近には板状の石がゴロゴロと転がっていてどこが山頂なのか?
あまりココで時間を使うのも…と思い、離れた場所から写真だけ撮りました。
ワリモ岳から鷲羽岳まで
ワリモ岳頂上付近の岩場を右手に巻いて進みます。
安全確保の補助ロープが張られていますが、まあ…それにしがみつく必要もない感じ。
晴れた日で風もない日の今日は、そのままサクサクと歩いていけた。
そう、そして…このワリモ岳を回り込んだその部分で…
日の出とご対面!
ああ、できることなら鷲羽岳山頂で拝みたかったけれど…。
ワリモ岳山頂から見る朝日も変わらずキレイだよね!
もっといい方へ考えれば、ワリモ岳から見れたことで真っ赤に染まる鷲羽岳山頂への道のりが見れてのはラッキーだったかも!!
真っ赤に染まる世界を前にも後ろにもだ〜れも居ない場所で一人満喫。
贅沢だな〜。
朝日が昇りきるまで、ず〜っと写真を撮りまくっていたら…それらの写真をグーグルフォトさんが勝手にパノラマ写真にしてくれました。
いや〜山って広いな大きいな。
さあ!朝日タイムも終わったら…鷲羽岳へ向かって再スタート!
ワリモ岳山頂から鷲羽岳へは…あぁ…!!…いったん下ってまた鷲羽岳を登り返すんです。
今日の行程はこの登って下ってを幾度も繰り返す予定。
本当はね…この3泊4日登山
な〜んて計画していました。
が。
無理!
小屋であまり眠れなかったのと、縦走3日目という事もあってか
とにかく眠い・ダルいでペースが上がらない。
いつもだったら、登山をはじめて数時間の今が一番体力・気力モリモリ!なハズなのに。
すでにグッタリ。
ワリモ岳から鷲羽岳までの登山道はずっとザレた斜面。
そこをチマチマ、チマチマと足を進めながら思う。
途中で行動予定を変える場合は、その旨を緊急連絡先であるダンナに伝えなくてはならない。
確か…双六小屋はスマホが通じなかったので…今日の行動を笠ヶ岳から双六小屋へ変更するなら…電波の通じそうな三俣蓮華岳か双六岳山頂までに決めないと…。
と、迷いを抱えながら登る。
どの登山も、嫌になったら撤退しようでも、もうチョットだけ歩きたい…?ならとりあえず次のポイントまで行ってそこで判断しようと思って登っているんです。私。
周りに遮るものが全く無いので、鷲羽岳山頂がハッキリわかるんですが…これがまたちっとも近づかない!
途中の岩に打ち付けられていた、黒い看板…?
慰霊碑かしら…?
今回の記事を書くにあたって調べてみたけど、わからなかった。
鷲羽岳山頂を見上げると…うわ〜楽しそうにしている登山者の姿がありありと見える〜…。
と、つい思っちゃう。が。自分で上りきってこその山頂到達の喜びなのだ。頑張ろう。
後ろから現れた人が颯爽と私を追い抜いていく人を見ると
と思うが…実はみんな、私と同じ様に苦しいのを抱えて登っているんだよね?
山頂が全く見えない最後の上りもキツイが、山頂が丸見えの最後の上りもキツイ。
ええ、結局、最後の上りはキツイんですわ。
6時9分鷲羽岳山頂に到着
水晶小屋から出て1時間半ほどで標高2,924mの鷲羽岳に到着しました!
確かに辛かったけれど、数年前に行った、雲ノ平〜水晶小屋〜水晶岳〜水晶小屋〜ワリモ岳で鷲羽岳の時に比べたら…ちょっとは楽だったかな(^_^;)
鷲羽岳の標識は正統派?の標識からちょこっと離れたところにもう一個。
ちょっと疲れた感じの標識なので、先代の標識だったのかしら?
鷲羽岳から見た槍ヶ岳は、昨日の水晶岳から見た槍ヶ岳よりちょこっとだけ近くなった感じ!
さて、鷲羽岳山頂の次は三俣蓮華岳を目指して進みます!
…過去にも通った時に思ったんですが…鷲羽岳からの下り道…けっこうキツイです。
次回「北アルプス縦走(14)三俣蓮華岳」へ続きます。