脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(南岳新道編)

目次

03楽しい稜線の木道歩き

地図西尾根のコルからカール手前
先ほどの救急箱からしばらく歩いた先の標高2700mまで来ると、
「下りの方へ、これからムチャクチャ急な下りのはじまりです」
という看板があると、ネットの記事を読んで知っていたので探しながら進むが…何故か見つけられませんでした…。

森林限界を越えた

ここまで登ると空が…近いはずなのに〜!何も見えなーーーい!
ここまでくれば穂高岳や笠ヶ岳が見えるらしいのに…見えない!

そして、もう稜線歩きかな?と思った先に現れるこんもりとしたピーク。

けれどもまだまだ登る

Kさんがいつの間にか撮っていた私の後ろ姿…足元がだいぶお汚れになっていますわ…。

だいぶ疲れてきた

そして、ついにたどり着いたよ!いろいろなブログで見た、空の木道!
ココを通るのを楽しみにしていました!

雲上の木道と岩

写真で見ると怖そうに見えるかもしれませんが、実際歩くと道幅もあるし、ハイマツが両脇にあるおかげで怖さは感じませんでした。

雲上の木道を渡る

天気が良かったら北アルプスの山々が見えるんでしょうね…。

稜線歩きが楽しい

そんな山々を見ながら登っていけたら最高なのに…。

岩と木道

穂高の岩壁を見ながらの快適な稜線歩き。
ハイマツを保護するための木道が敷設されています。

ハイマツと木道

見ての通り、楽しい稜線歩きだったでしょう?
またいつの日か…晴天下の日に登りに来ることを、この記事を書いていて心に誓いました。

04カールをトラバースする

地図カールから南岳小屋
これで木道の稜線歩きとはさようなら

森林限界を越えた

この木道を越えた先に鉄はしごがかけられているので、それを下ってカールへ…。

カールへ繋がる岩場

鉄ハシゴを下った先は緩やかな下り…。
…鉄ハシゴとかも写真に撮ったハズなのに、データが残っていないんです。私の適当な撮り方がいけないんです…写真データ欲しかったな…。

大きなカール

カールと言うと涸沢カールをついつい思い出すけれど、あの手の届かないカールより、こうやって横切って渡れるカールのほうが何か愛おしさを感じます。

槍平への道標

へ〜本当に最近できたんですね〜。
はっ!1999年がつい最近の気がする…ええ、そんなお年頃なんです。

ご想像の通り、立派な中年です!

頭を掻いているイラスト

すぐにガスが出てくる

稜線に乗り上げた後は楽になるとか書いてあった気もするけれど…疲労のせいかそんなに楽じゃない。

南岳と槍平への道標

道標がある。時間も標高も何も書いていないものすごくアッサリな道標…。

雄大なカール

見上げた時に空が見えると嬉しいですね!…すぐにガスったけど…。

斜面をトラバースして進む

カールを横切るように進んでいく。
雪が残っている頃はここを渡るのは大変だろうな〜。

白い丸を追いかけて進む

ここらでKさんから少し休憩する?と言われたので
岩に腰掛けて休憩&行動食をモグモグ。上を見え上げた先にいる2人ぐらいのパーティーも稜線沿いで休憩、後から来たテント泊のカップルも少し下がった場所で休憩…。なぜか同時にみんな休憩タイム…。そして10分ほど休憩したら、また歩き出す…。

だんだん疲労がピーク

歩き出して直ぐなのに

…あ〜〜〜しんどい…

岩場急登を登るイラスト2
身体がかなり疲れている証拠ですね…。

とりあえず遠くに見えている丸木橋を目指して進むコトを心に誓う。目標物がハッキリしていると進む心も上向きに…!
この丸木橋は谷間を挟んだ岩と岩の間に鉄板と丸木によってかけられている橋なんですよ!
ああ、橋の写真…引いた写真で撮っておけばよかった…。

岩と岩の間の橋を渡る

ここを越えたら南岳のなだらかな斜面をジグザグとつづら折りに登っていきます…。
道自体はキツくないけれど、疲労で注意散漫になっているせいか幾度か足元の石につま先をつっかける。

だいぶ辛い

すでに9時間以上歩いているせいで…疲れている。
この上りが登山を開始して直ぐの歩き始めてすぐならなんてことない斜面なのに、疲労と高度が上がったことによって辛い。

稜線が見えてきた

もう1回休憩しちゃったし、後は小屋を目指すだけなのでしんどくても登るしかありませんね。
16時までにチェックインしてねの約束時間までには余裕がありそうですが、休みグセがつくと良くない!うん。

スグソコと書いてある

スグソコなんて言ってもさ、こういうのって絶対にスグソコじゃないもの〜!
まあスグソコには個人差があるよね…。わたしのスグソコは歩いて3分以内のコトをいうので…信じずに進む。

Kさんがスグソコだってー!と言っても

嘘よ!ウソ!絶対まだまだ登るわよ〜騙されちゃダメダメ!


と猜疑心で心をいっぱいにしながら登る。

うっすら小屋が見えてきた

心の中ではテントも見えているし、もう絶対南岳小屋だとわかっていたんですけど…。
なんか、小屋だと思ってのに小屋じゃなかったぞー!のショックに気持ちが耐えられない気がしていたので、ギリギリまで喜ぶコトは我慢していました。

南岳小屋まであとチョット

まあ、ここまで来れば間違いなく小屋へ到着です。
新穂高温泉から奥丸山を登って降りて…槍平小屋からまたひたすら登って…ようやく…ようやく着いた!南岳小屋!

14時29分南岳小屋へ到着

南岳小屋に到着
16時前に小屋へ着きました!
予約時の約束が守れて本当に良かった〜!!!
朝、4時36分に新穂高温泉のゲートを出て、9時間53分(休憩含む)をかけてここまでたどり着いたよ!
今日ここまで来たから明日通過する大キレットは目と鼻の先だよ! 槍平小屋で諦めなくって本当に良かった!

さて、南岳新道ですが…登る前に調べた感じだと急登でキツイ!という意見が多かったですが、個人的にはこういう上り道は大好物です。
ただし…下りに使うは嫌ですね〜。

絶対にハシゴで滑って転ぶ自信がある!

転ぶイラスト
ハシゴもかなり傷んでいるので…小屋の注意書きにあるように、下りに使うと難易度がかなり上がる気がします。

05南岳小屋で明日に備える

南岳小屋に入ると、まず受付前にあるテーブルに置いてある宿泊申込書に記入します。
こんな過酷な地に建っているのに、南岳小屋は綺麗な小屋!トイレもちょっとだけニオイがしますが綺麗にしてあります。
そして…今日は人が少ないせいか…1人1枚のお布団…!ありがたい〜!
部屋は2階の女性専用部屋。
乾燥室もついていたので、ビショビショの靴下・登山靴を早速乾かしに…ああ、今日は小屋泊にしておいて本当に良かった…!

私はテント泊が多いので狭い空間でゴニョゴニョすることにはだいぶ慣れてはいたのですが、やはり小屋、しかも空いていると何をするのも本当に楽!
いつもこうなら小屋泊でもいいんですけどね〜。
本当に、こんなコトはマレ…山小屋は…過去に行った涸沢小屋のぎゅうぎゅう押し寿司状態が基本だと思っています。

荷物を整え、汚い顔を拭き、着替えを済ませて小屋の外に出てみれば…なんと!青空ーーー!

青空の下の南岳小屋

うわ〜!やっぱ!青い空最高!
お空が晴れているだけで、人ってこんなに気持が上向きになるんですね!

丘の向こうも青空

なら、ついでに南岳まで行ってきたのか?というと…
ほら、あの、10時間も歩いてここまで来たし…靴も乾燥室に入れちゃったしで…行きませんでした。

大キレットに通じる道標

コチラの道標がちょっと心を引き締めてくれます…。明日はとうとう大キレットですよ!大キレット!
そういえば南岳小屋の受付前のテーブルには大キレットノートというのがあって、大キレットに挑む人や通過した人たちのコメントが数多く書かれていました。
楽だった〜という人もいれば、怖かった…と書いている人も…明日の私はどちらの感想を抱くのかしら?

南岳小屋と青空

その後はテント泊のKさんとプチ宴会。
私は500mlのビールと350mlの氷結。Kさんは500mlのビール×2と紙パックの日本酒…。
山だし、山小屋のお酒代金もお高いので自制心が効いてこんなもんで止めていますが、都内で飲み会をすると我々の酒の量はこの8倍くらいかしら。オホホ。

南岳小屋から見る夕日

昨晩寝ていないのと、明日は3時起きなのと、登山時の私は18時には寝ているので…17時半にはお開きになりKさんはテントへ私は南岳小屋へと別れる。

南岳小屋キャンプ場から見る夕日

周囲はすっかり紅に照らされて綺麗〜!

夕焼けと雲海

雲海も厚く、ああ、高山へ私はいるんだな〜としみじみ思う。

夕焼けと雲海2

ちなみにこの写真…南岳小屋の窓から撮りました。小屋に一度戻ると…外に出るのが面倒くさくって…。
小屋泊の方々が夕日が綺麗だよ〜外行こうよ!と話しているのに逆行して、布団に向かう私…。
18時には布団に入り、明日の3時起きの時に周囲に迷惑をかけないよう必要な物を整理し終えてスマホを触りながら、ムニャムニャし始めたら…
夕日がすごい綺麗だよ!大キレットもすごいよ!

っとメールが入りましたが…

眠いから布団から出れない…写真をとっておいて下さい

ゴロゴロしているイラスト

すみません!さんざん自分のペースに付きあわせて登山させてしまったのに、この態度…こう、なんというか…睡魔には私とことん弱いんです…。
せっかくここまで来たんだから、ちょっと布団から抜けだして見に行けばいいのにね。

と、いうわけで…ここから下の2枚はKさんが撮った大キレットと雲海の写真になります。

雲の中の大キレット

ギザギザのシルエット…シルエットで見ると、ギザギザ率がキツく見えますね。

雲の中の大キレット2

 布団中でまどろみつつも思うことは…

ああ、明日は大キレットか…明日のこの時間には私は穂高山荘の布団の中にいるかしら?

寝ながら考えているイラスト
そんなコトを思いながら夢の世界へ誘われて行きました。

次回はいよいよ、この山行の第一の見どころ?「脱初級者?仲間のサポートを受けて大キレット・ジャンダルム縦走(3)大キレット編」に続きます。


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