03そして唐松頂上山荘へ
岩場が出始めると…先程までのまったりした足取りではいられない。
見ての通りの楽しい道なんですが、歩き始めて6時間の足にはこの緩やかな登りもキツイんですよね〜!
そういえば…下ってくだって、登り始めたということは…地図上にあった最低鞍部は通過したのかしら?
五竜山荘から最低鞍部までのコースタイムが1時間…私も五竜山荘から出発してほぼ1時間ほど…ぜひとも通過していたと信じたい!
最低鞍部の目印を探しながら歩く、歩く…。
すると足元に現れた、この看板。
何度見返しても最低鞍部とは一言も書いていない…。
でも、この先は…登りっしょ?
うん、きっと最低鞍部は通り過ぎたんだ!そうだよね!
で、この看板と共に始まったイ・ワ・バ!
見てよ!モ〜!この容赦ない感じの岩場〜!
そして左手には…
ちょっとよろけたら、そのままコロコロ〜って転がっていきそうな谷!
ココから唐松頂上山荘までが、本当に今日の最後の難所!
頑張って登るぞ〜!
唐松方面に来ると、ちょっと岩質が変わった?
五竜岳辺りの白い岩から赤茶色に変わってきた気も…。
しっかしまー!見てよ〜この長い岩場〜〜〜!
唐松〜五竜山荘までの間だったら、楽しめるんですが…すっかり疲れ果てた私には結構こたえる。
よく、すれ違う時にフラフラの登山者を見て
な〜んて、傲慢に思うときもありますが…
もしかしたら、その人は自分の何倍もの距離を歩いてきたのかもしれない…。
そんなコトも想像できず上から目線で人を見ちゃいけない。
うん、目に入ったモノだけではなく、想像力を働かせて歩こっと!
五竜岳の岩場とコチラの岩場どっちが大変?って聞かれたとしたら…どっちも同じぐらい大変ですね。
空が青く、視界良好は嬉しいけれど…その分、ハッキリと見えすぎてしまう…果てしなく続く岩場…。
そして、みるみる遠くへ消えていく前を歩く登山者たち…。
と、自分の老いを噛み締めながら歩く。
もう、岩しかないので、ペンキマークかクサリのかけてある場所を追い求めて登り…。
ちょっと足をズルっ!とすれば、足元の岩が谷に向けてコロコロコロッ!と落ちていく場所を通過…。
実は、私…一箇所で石を落としちゃいました…。
幸い、周囲には誰も居ない&石はスグに止まりましたが…ヒヤッとする瞬間。
もうね、あられもないポーズでよじ登りましたよ〜。
それもそのハズ…ココは、唐松〜五竜山荘間にある難所の牛首ですもん。
牛首って聞くと…
牛の首なら太いジャーン
な〜んて思うかもしれない、けど…
ガイド本にも滑落多し・危険と書いてある場所なんです。
それを何度も自分に言い聞かせて、牛首を無事通過!
そうして、やっと見えてきた〜!
会いたかったよ!唐松頂上山荘!
ま、見えてから遠いんですよね〜山小屋って…。
11時27分唐松頂上山荘に到着
ああああ!やっと、やっとここ迄たどり着いた…もう…もうここ迄来れば…!後は楽らく下山コース!
今日の緊張状態はとかれた〜!
ほら…私って…頭がでかいから…ヘルメットをかぶっていると変なので…安全ゾーンに着いたら一刻も早くヘルメットを脱ぎたい乙女心なのよ。うふ。
長かった扇沢からの山行もそろそろおしまい…お名残惜しいけれどココから真の下山に入ります。最終回「鹿島槍から八峰キレット越え五竜岳へ単独縦走(8)」へ…。