電車とバスで雲取山を日帰りで登ってきた(後編)

タイトル雲取山後編

電車・バスを乗り継いで、やっと登山口に着いたのが朝の9時。雲取山は登り5時間、下り3時間は覚悟しなければならない山…。帰りのバスの時刻も考えると…非常に時間のない日帰り登山となりました。

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目次

01ブナ坂からの稜線歩き


ブナ坂以降は、景観の良い稜線歩き。まさにゴールデンコース!
左手に山々を見ながらの楽しい稜線歩きがはじまりました。
ブナ坂の登り
雲取山の鴨沢ルートは開けた道になっても登山道がはっきりと分かります。
道がふた手に分かれた場所にあたっても、チョット登る展望ルートと登りを回避するための巻き道というケースなので、視界がはっきりしている日は迷うこともないかと…。
ブナ坂の登り2
そういえば2010年の7月に、ここを登った時…アブや蜂にまとわりつかれました。
虫が大量発生する時期だったみたいで、頭や口周りにまとわりつきお昼も落ち着いて食べれず、手やタオル、首を振ってずっと虫をやり過ごした場所だ。
当時一緒に行った男2人は私にまとわりつきもしないくせに変な虫だけは寄ってきて、熱烈なキッスを浴びせてくれ…下山後、顔のアチコチがプクーと腫れて…家で会社で笑われました。
この時の下山後スグにモスキートネットを買いましたよ。

でも4月30日の今日は虫に悩まされることはなく、快調に進めていけるのが嬉しい!
虫がいないと呼吸も思い切りできて清々しい! 雲取山の稜線歩きサイコー!

と浮かれていたら…登りが少し平坦になり、開けた場所にヘリポートが見えてきました。
ブナ坂のヘリポート
そこから少しだけ歩くと、数年前にお世話になった奥多摩避難小屋のテント場に到着。

11時32分奥多摩避難小屋通過(留浦から3時間17分経過)

奥多摩避難小屋テント場
すでにテントを張っている方々がのんびりとした時間を過ごしていて…羨ましい…!

数年前にテント泊をした時は東日原発〜鷹ノ巣山経由、石尾根を通って来ました。そしてテント泊がメインだったので雲取山には登らず下山したので、ここから先は2010年に登った記憶だけを頼りに登ります。

テント場を素通りし、目の前にドーン!と広がる本日初の急登!ああ、登りがいがありそうな斜面…。
すでに疲労が溜まりきった身体にはコレが応えるんだ…。
奥多摩避難小屋からの急登
ここまで休憩を取ることなく進んだせいか?単に自分の体力不足のせいか?足が思ったほどサッサか進まない…。

疲れたな…休みたいな…

さらに汗をかいて登る
と思いながら一歩一歩を進んでいると、後ろから来たトレランの方々が私を抜いていく…。
勝手な被害者意識だが、トレランの方に後ろにつかれるのは苦手なので…どうにも落ち着かない…後ろを気にしながら登り…その度に道を譲るのだが…
疲れる急登
あまりにも抜かれていると…なんか凹んでくる…。

私って遅いのかな…年々登りが弱くなっている気がする

登山装備を背負ってものすごくしんどい顔で登っている姿
急な登りを終え、再び樹林帯へ。
林道に変わる
雲取山荘への巻道の看板への誘惑をこらえて、再び目の前に立ちふさがる登りと向き合う。
雲取山の分岐点
少しでも全体的なコースタイムに時間の余裕を作ろうと急ぐのですが、すでに疲れきった脚は歩みも遅く…のっしのっしとしか進めない…。
ちょっとだけ岩っぽいところもありましたが、三点確保も必要ないぐらいの登りだったかな。
チョットだけ岩場
登り、平坦を繰り返しながら雲取山山頂を目指します。
続く林道歩き
もう、左手の風景にマッタリしている余裕もない…。
疲労の中の登り
この頃になると雲取山避難小屋がチラッチラッと見えてくるようになりました。
ゆるい上り道

雲取山の前に小雲取山があって、ソレに騙されるのよね…わかっているのよ

疲労困憊で登る
そう思いながら進む私。山頂と思って着いたハズなのに山頂じゃなかった時のガチョーンを味わいたくないじゃないですか…。
見えてきた山頂
またもや急斜面を登る。ここらは日影が全くないので、日差しがキツイ!
そして雲取山避難小屋の真ん前まで登り切った所…

これが小雲取山かしら…ん?

登山装備を背負ってしんどい顔で登っている姿
雲取山山頂って書いてある。
雲取山山頂の標識

あれ…?私、雲取山山頂に着いちゃった!
小雲取山にだまされないわよ!と、用心しすぎて小雲取山を見逃したらしい…。どこだったんだろう?

雲取山避難小屋の周りで休憩している人たちがいて、私も…との誘惑に駆られるが…まずは雲取山山頂を見に行こう。
雲取山避難小屋

02雲取山山頂到着

やっと着きました! 東京都で一番高い山!

12時27分雲取山山頂 到着(留浦から4時間12分経過)

噂通り、山頂標識が新しくなっていて”2017.1M”と刻んである。
雲取山山頂の新しい標識

急いで急いで登ったおかげで4時間ちょっとで到着出来ました…休憩もなしに…正直疲れ果てていて、山を楽しんだ?と聞かれると

うん…まあ…ね…。

としか言えない…いや〜…もうさ、こういう登山やめようよ自分!としみじみ反省。
ちなみに前日にアウトドアショップの店員さんと話した時に

先週、登った時は雪がありましたよ

と、言われ…ダンナにアイゼンを持っていくように散々言われたので…持ってきたけど…

雪のかけらもねえ!


アイゼンを持ってこなければ、このザック…もうちょっと軽くなったんじゃない?
と思いながら4時間半ぶりにザックを降して腰も下ろした。
あ、ダンナに連絡を…と思ったのだが、どうやら電話もメールも繋がりませんでした。docomoでもだめなのかしら?

さて、昼食のパンとオニギリを食べつつ下山計画を考える。
実は、今回計画していた下山コースは鷹ノ巣山避難小屋まで行って、そこから峰谷バス停方面へ下山する計画でしたが、
12時半の現在…それって無謀かも?
地図雲取山雲取山から峰谷
できればこの目で雲取山荘も見てみたかったけど…時間が厳しそうだから…こちらも見送るか…。
雲取山荘見学をやめたら峰谷経由の下山に余裕ができる?かと思ったが、現在12時35分、地図上のコースタイムと最終バスの16時55分までのコースタイムの時間に余裕がない。下山中に何らかのトラブルが発生して、最終の峰谷バスは間に合わなかったらどうなるの…?野宿?
久々の登山で足も疲れている…。

ちょっと親指の付け根が靴擦れし始めたからテープも貼ったし…

登山装備を背負って座り込んでいる姿
でも、でも、でも、でも! せっかく公共機関で来たんだからピストンはつまらない…。
ダンナには基本は峰谷、エスケープルートとして鴨沢ルートピストン、もうダメだ!と思ったら雲取山荘泊と伝えてある。
峰谷か鴨沢か…どちらにしよう?揺れ動く気持を抱えつつ、さっさとご飯を食べて下山することに。
雲取山山頂

03悩める下山

地図雲取山雲取山山頂から鴨沢バス停
峰谷と鴨沢どっちにしようかとずっと考えながら、登ってきたばかりの道を戻る。
雲取山山頂から下山
登りに比べて下りはやはり楽だ。
雲取山山頂から下山2
そして、下りに慣れた脚にとって…時折現れる登りが、ちとキツイ…。
悩みながら下山
行くべきか?行かざるべきか?そればかりを考えながら下る。
疲労を感じる下山
そんなに無理して峰谷まで下山する必要があるんだろうか?
ブナ坂迄戻ってきた
ブナ坂まで戻ってきて、七ツ石山の登りを見た時…心は決まった。

鴨沢へ降りよう


そうさ、別のルートで周回登山をするならもっと時間のある時に…テントを持ってきた時にしよう!私は撤退を好む女だ!

13時35分鴨沢ルートで下山を始める(留浦から5時間20分経過)

そう決めて、登ってきた時と同じ道を下ります。
ピストンで下山
鴨沢バス停から奥多摩駅行きのバスは16時チョイ過ぎ、今の時間は13時40分。いつもの自分のペースで下れば時間は余裕だし、来た道を下るだけなので別ルートに迷い込む心配は少ない。

登山道を1人で下っていると不安になってくる。
その時間わずか10分程度でも登山道に誰も居ないと、時間的に遅すぎたのではないか?山頂まで行かず奥多摩避難小屋で折り返した方が時間的に良かったのではないかと不安になってきた。
そして…奥多摩といえば…熊もでるんだよな〜…
熊が襲ってくる
ちょっと不安になってくると、ペースも早くなる。
足はダルいし、足裏も痛いのにセカセカドカドカ下る…。
ピストンで下山2
ようやく先を歩く人を見つけて一安心。
でも、つい追い抜いちゃって…また誰もいない登山道を1人下る…。

行きは予想より早く着いた堂所も遠い…
樹林帯を下山
もしかして、見落として下山しちゃっているかと思ったら…きちんと現れました。

14時30分堂所到着(留浦から6時間15分経過)

堂所迄戻ってきた
目指すものが思っていたより遠く感じた時…ああ、疲れているんだと実感。

すでに6時間近く歩いた足はすっかりだるく、足裏も痛い!また、ブナ坂以降の景色の変わらない樹林帯の中を延々と歩く単調な道が精神的にキツイ。
ああ!一刻も早く下山したい〜!で、ほぼ小走り…下山を楽しんでいません。
樹林帯を下山

ようやく左手にアスファルトが見えてきて、
ああもうそろそろだ〜!と思うが…思った所から、これまた近づかないんだ。下山口まで。

雪が降っていて、スキー板ならこの左手の坂から降りれるのに…

冷めた顔で下る
この発想…下山時にいつも思ってます…。
アスファルトが見えてきた
それでも下り続け、やっと小袖駐車場まで帰ってきた。

15時00分小袖駐車場に到着(留浦から6時間45分経過)

小袖駐車場は車で来た人が登山靴を脱いで安堵の表情を浮かべている…めちゃくちゃ羨ましんですけど!
横目でチラチラ見ていたら、小袖駐車場で物産を売っていた方から「見ていって下さい」と声をかけられたが、そんな余裕はなく…

まだまだ歩くので無理です〜


と、弱気に笑ってその場を去る…。

小袖駐車場から再び山道に入り、時計を見るとバスの出発時間まで1時間はある…そう思った瞬間、歩くのがだるくなりダラダラと下りはじめました。
だらだら下っているとトレラン、カップル、親子連れにどんどん抜かれていったけど…もういいの。バスさえ間に合えば…。

土の道を終えて、アスファルト舗装の道まで出ればバス停までもうチョット!
鴨沢迄戻ってきた

15時30分鴨沢バス停に着いた(留浦から7時間15分経過)

やっと…やっと公共機関のある場所まで戻ってきたよ〜!!!!
あ〜!一安心!
奥多摩湖まで戻ってきた
鴨沢バス停には疲れ果てた人々がつらつらと並んでいたので、自分も並ぶ。
皆さん疲労困憊な雰囲気…ココにこの時間に並ぶということは…皆、日帰り仲間だよね?おお!同士よ〜!皆も私もよく頑張ったよね!

16時にバスが来たのですが、乗車する人が多く増発便を出してもギュウギュウ…。
私は何とか座れたのですが、登山を終えて疲れきった身体で満員立ち乗車はキツイだろうな〜と思う。
鴨沢から奥多摩までバス停に停まる度に乗車してくる人がいて、その度に奥まで詰めて下さい!一度降りて下さい!などを繰り返していたので行きよりもバスの乗車時間は長かったと思う。

ようやく奥多摩駅につき、フラフラとホームに行けばホリデー奥多摩の出発時間!
急いで飛び乗り…無事、帰路に着きました。

04公共機関で雲取山日帰りにチャレンジしてみて

休憩もとらず、ノンストップで登ったので、本などに記載されているコースタイムよりは早く登れたかもしれないですが、正直辛かった! もう、公共機関での日帰りは…カンベンかな…。

7年前に来た時は何時間で登って降りてきたかは覚えていないのですが、あの時に感じた延々に続く樹林帯の下り道は今も健在でした。
けれども前回よりは(文句は言っていたけど…相変わらず長かったけど…)下り道の長さをチョットだけ短く感じたので、歳は食いましたが、あの頃に比べたら登山に慣れたのかしら?と自画自賛していたりして…。

また、雲取山もかなりトレランの方が増えましたね…抜かれていった後に、登り終わったピークで大股広げて座っていた短パンのオニイサン!…登り終わった先に待っていたのが…風景や椅子でなくてオニイサンの股では…結構精神的パンチが来ましたよ。

見たくないのに見てしまう…

照れて振り返る

そして、私のペースでは公共機関を使っての雲取山日帰りは山を楽しむというよりは山に修行に行っている感じなので、雲取山をゆっくり堪能するならヤッパリ泊まりだよな〜としみじみ思うのでした。

以上で公共機関を使って雲取山を登った思い出はお終いです。
次に行く時こそ雲取山荘をこの目で見たい。


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