栂海新道をテント泊で縦走(5)栂海山荘から白鳥避難小屋まで

タイトル栂海新道5

朝日小屋を出発し、7時間半を一人で歩いてたどり着いた栂海山荘!ここにたどり着けば今日の辛いことは終わった〜!と思った。だが…だがしかし…辿り着いたその先に新たなる苦しみが待ち受けていました。

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目次

01栂海山荘で休む

さあ、ようやく着いた栂海山荘…!
7時間半振りに、重たいザックを降ろして…へたり込む…。

そうそう、前回の北又の水場で頑張って水を汲んだワケは…栂海山荘は無人小屋なので水の提供はない…そして小屋近くには水場はなく、朝日小屋から来た場合、栂海山荘から一番の近い水場が北又の水場だったからです。
なので、ものすごく疲れていても、登山道から外れて北又の水場で水を補給する必要があったのです。

小屋の前にはバケツが置いてあって水が溜まっていた。
栂海山荘のバケツ
本当に最悪時に備えての雨水をためているのかしら?と覗き込んでみたら…

オタマジャクシがたくさん!

ひ、ひえ〜…足も結構生えていて…カエルっぽい

怯えているイラスト
カエル嫌いの私としては見なければ良かったバケツでした。

で、ゴクウベジーダの近くに座り、疲れていてあまり食欲もなかったけれどモショモショとパン1個を食べはじめる。

あ〜疲れたな…バーナー借りて調理する元気もないや…

座ってパンを食べているイラスト
その光景があまりにも「哀れすぎる」と言われ…コーヒーを入れて分けてくれました。
頂いたコーヒーを飲んでいると…2人から信じられない一言が…

まだ12時台だから今日中に白鳥避難小屋まで行こう

はぁ?

ここから白鳥避難小屋までコースタイムで4時間だから余裕でしょ

はぁ?はぁ?はぁ?はぁ?

ココにいてもやることないし、タマゴさんがパンを食べ終わったら行こう

why ジャパニーズピーポー!!!!!

厚切りジェイソンのモノマネのイラスト

今日の行動予定は栂海山荘までって言ってたじゃん!
何?その行動予定???
何?2人間で勝手に決まってんの???

しかし、彼らの決意へ揺らがないようだ…。
ああ…行かなくちゃならないの?こんなに疲れているのに…周囲もガスっているのに…
で、私…今までの登山歴の中で最初で最後の弱音をココで吐きました…。

正直…すっごい疲れているこの身体と精神で…この先の登山道を一人で歩き続ける自信がない…一人で歩くなら…私は栂海山荘でテント泊して明日行動します。

弱音を吐いているイラスト

体力的限界もありましたが、やはり昨日の獣の鼻息がかなり精神的にきていて…ビクビクしながらもなんとか歩ける精神ギリギリラインまで来ていたんだと思います。

しばし考えこむゴクウとベジーダ…彼らの出した結論は

仕方ない!俺がタマゴさんのケツ持ちする!

栂海新道メンバーゴクウ

ではオレはテント場の場所取りをするために先に歩いていきます。

栂海新道メンバーベジーダ
ははは…私が初・弱音を吐いても3人で一緒のパーティー行動はしないんだ!

こういう時にふと思い出すのが、大キレット・ジャンダルム縦走でご一緒してくれたKさんベジーダが一緒に登った時の出来事…やはりベジーダが同じパーティーの女子がバテたのでテント場キープのために先に行こうとした時に…

そんなに急いでいい場所をキープしたからってなんだよ、皆で一緒に目的地に着くことが大切じゃん

Kさん
と、彼に言ってくれたコトを思い出す…。
ワタシ的にはKさんの意見がすごく真っ当に感じるのだが…彼は何が何でもいい場所をキープすることに必死なようだ…。
まあ、人の登山に対する考え方は色々だけど…。う〜ん。

人と人は…所詮わかりあえないのネ…
でも…ま、いっか!人の考えを自分の考えに合わせることなんて出来ないし

不安を感じているイラスト

というコトでここから先は私はゴクウと一緒に歩き出すことに。
付き合って歩いてくれるんだから贅沢は言えないが…やはり本心は…

ああ…辛い…シンドイ…歩きたくない…

泣いているイラスト
私がゴクウに連れられて歩き出すと、近くでテントを張り始めた男性がドナドナ歌に出てくる子牛(私)を見るような目で見ている…彼は犬ヶ岳山頂からほぼ一緒だったので、私のフラフラ歩きを見ていたんだと思う。
薄いほほ笑みで会釈しあってて…栂海山荘から出発した。

02栂海山荘から下駒ケ岳まで

地図栂海山荘から下駒ケ岳まで
そういえば…栂海山荘の中に一切入りませんでした…その発想すら思いつかなかったし、そうしようと思えるほどの休憩時間もなく歩き出したからかもしれない。
今、思う…。見ておけよ!私!

12時20分栂海山荘を出発

栂海山荘から白鳥避難小屋へ向かう道は栂海山荘の裏手にある。
まずは下り…。
栂海山荘から出だしは下り
ああ、下り道で良かったわ…。
栂海山荘からドンドン下る
あっという間に黄連山に到着。
ちょっと休んだお陰か?想像よりも楽に着いた。
そのまま道を進む。
さっきまで怯えていた草の茂みも一人じゃないと怖くないや!
でも、でもね…
黄連山山頂
ユックリ歩いてくれても早いんだよ!ゴクウ!

俺の姿が見えなくなっても一定の場所で待っているから、タマゴさんのペースで歩いていいよ

栂海新道メンバーゴクウ

なんて言われても…姿が見えなくなるとアワワ!って思ってハイペースになる。
黄連山登山道
そしてついた黄連の水。
コチラも栂海山荘の水場になるんですね。
北又の水場で汲んだ水がタップリあるのでココでは汲みませんでした。
黄連の水
とにかくこの栂海新道…私はアミノバイタル系のサプリをかなり摂取しました。
もちろんココでも。
ゼリーを飲み始めるとゴクウ

オレも荷物の邪魔だからアミノバイタルゼリーを飲もうかな〜

栂海新道メンバーゴクウ
邪魔?…荷物の邪魔だから飲むだと…?そんな理由でドーピングする…?
邪魔だったら…私が飲んでやるよ…許せない!

フザケンナ!オマエが飲んでいいのはダイエットゼリーか0キロカロリーゼリーだけ!

大激怒しているイラスト
このセリフ、本当に本人に言いました。
私の悪舌を笑って、飲まずにゼリーをしまってくれましたよ…こんな罵りをさらって流してくるいい人だ…。
けれでも…私の中では仲間であるはずのゴクウが敵に見えてくる…。

さて、再び歩き始める。
黄連の水から歩きだす
気を抜くとすぐにゴクウの姿が見えなくなるのでヤバイヤバイ!
てか…ケツ持ちって私の後ろを歩いてくれるんじゃないんだ…ははっ…ふぅ…。
ゴメンナサイ…愚痴が多い山レポで…でもね、こんな愚痴ばかりになるような精神的・体力的限界状態だったの…。
黄連の水の登山道
そして次のピークの菊石山に到着。
菊石山山頂
ここまでもわりかし順調でしたが…うん、やっぱり疲れがじわじわと足取りを重たくさせていく。
そうだよね〜栂海山荘にたどり着いた時点で今日はもうグロッキー!と思っていたのに…。
その点を越えて今歩いているんだもの。
菊石山から歩き出す
ゴクウは実際、かなりペースを落として歩いてくれている。
そのお気持ち…わかっているけど、全く追いつけない〜!
菊石山の登山道
だんだんと私の頭の中で妄想が広がってきた。
あの体力が欲しい…今、私とあの人の身体が入れ替わったら私の苦しみが奴にも分かるはず…。
菊石山の登山道2
そう…私が…私がギニュー特戦隊のギニュー隊長だったなら…

チェーーーーンジ!!!

ギニュー隊長
と叫んでゴクウと身体を入れ替わってやるのに…。
どんどん引き離される
そんなアホな妄想をして歩いていると…あっという間に差が広がる!ひい〜!

この先の下駒ケ岳へ通じる登りがかなり急でした!
弱った身にはほぼ垂直見えたこのハシゴ…あまり安定しておらず…グラグラで怖い〜!
かなり急な登り
本当に急で、足元の土がズルっと滑る!
急過ぎて滑る
実際、ゴクウも足を滑らせて石に脚をぶつけて、タイツに穴を開けたそう。
登り終わった辺りで反対方向からトレランの男性がやってきたけれど…無事に下れたかしら?と思うほど急でした。

そして疲労と急登と戦いつつもようやく着いたよ…

14時28分下駒ケ岳に到着

下駒ヶ岳山頂
蓄積された疲れと、今の急登でかなり参っています…。

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