里山と単独の恐ろしさを味わった岩殿山

岩殿山タイトル

夏登山シーズンを控えて標高が高い山へ行く前に、近くの山を登っておこう。そう思って気楽に行った岩殿山。そこでは初心者ならではの恐ろしい出来事が待っていました…。

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01東京近郊、電車で行けるラクラク登山

丹沢で単独登山デビューを果たして半年後…2012年度の登山に備えてもう一度単独登山をしておきたい…けれども、6月の標高が高い山はまだまだ雪が残っているらしい。雪山登山経験のない私には単独で行くのは無理だ。
電車で気軽に行けて、ちょっとワイルドな山がないかな〜? そう思いながら東京近郊登山ガイドブックを眺めていると…
「変化に富んだ岩場をめぐるかつての山城 岩殿山」
この見出しが目に入ってきた。
読み進めると、岩場やクサリ場が適度にあって面白そう! 私…

クサリ場が好きなんです

正座をしてウキウキしている
しかも、この山は電車だけで登山口まで行けるんですって!駅から歩いて行ける山なんて、バス乗り換えの面倒臭さがなくて、楽じゃない!
ということで、2回目のひとり登山は岩殿山に決定!
今回の登山計画を立てまして…スタートは大月駅〜 岩殿山登山口〜岩殿山〜兜岩〜稚児落し〜大月駅の周回コース。
地図岩殿山登山ルート
こじんまりだけど、ワクワクするポイントがたくさんあって楽しみ〜!

……
………
ワクワクどころかハラハラするはめになるとはこの時は全く思いもよりませんでした。

02登山口はどこだ?

岩殿山地図大月駅から岩殿山
JR中央線の「大月駅」で下車!してみたけれども…登山者…誰も降りないよ?

岩殿山へ行くにはこの駅でいいんだよね?

不安になっている
ネットでも下調べしたところなかなか人気の山らしいのに…登山者が誰もいないの?…こんな時、すごく不安になる。
不安を抱えつつも、まだオープン前の商店街を通り、踏切を通過…橋を渡って…ん〜登山口への案内が見あたらない…なんだかとっても不安になってきた。

実は登山口はこの駅でない場所にあって、私は勘違いで下車していたらどうしよう?

登山装備を背負って汗だくになって登っている姿
いつものことですが自分で自分を信じられなくなった頃に岩殿山の看板が見えました!
幹線道路が見える
車の往来が激しい道路沿いをガイドブックに書いてあった道通り進んでいくと…岩殿城跡入口と記された岩殿山の登山口が現れてきて、ようやく一安心。

8時8分登山開始!

続く石階段と鳥居
道路脇の標識からスタートになります…が…普通の舗装路…。近くにあった看板にいろいろ書いてありました。この山の頂にはその昔、戦国大名小山田氏の居城が築かれていたとか…。
岩殿山の説明階段
とりあえず、道なりに舗装路を登る…。目の前に広がるのは…舗装路のみ…。
続く舗装された岩階段
なんだか肩透かしを食らった気分だな…と階段を黙々と登っていく先に現れたのは「丸山公園」。
丸山公園と城の前
お城の形をした「ふれあいの館」もあって、まあ…大きい公園だよね?
せっかくなので周辺をチラ見。こちらの奥にあるトイレを使わせてもらいました。あ!この先トイレはここが最後になりますよー。
岩殿山を目指して、「ふれあいの館」脇にある階段を上ることに、標識によると山頂まで25分とのこと。
丸山公園から再び石階段を登る
階段がずっと続きます。
ここらで唯一すれ違った方は犬の散歩されてました。ちょっと登山装備なのが場違いに感じで恥ずかしい…。
頂上まではほぼ石段ばかりだったと思います。

途中にあった岩殿山頂と稚児落し方面への分岐を山頂方面に進むとなにやら巨岩が…
場城戸跡の看板と脇の階段
これは自然の巨岩を利用した岩殿城の城門跡です。
その後も番屋跡、馬屋跡など城跡らしい場所を通りすぎ…
番所跡の看板
ずっと続く階段もそろそろ終わりそうな感じになったところで…

8時36分岩殿山山頂に到着

岩殿山山頂とその看板
本丸があったと言われる山頂です。
ここの高さは634mでスカイツリーと同じ高さで山頂からは大月の町並みが広がります。
岩殿山はスカイツリーと同じ高さを示す看板
山頂は「やまなしの歴史文化公園」…ここは登山の分野には入らない?
やまなし歴史文化公園岩殿城跡案内図看板
山頂からは幹線道路がよく見える。
岩殿山山頂から見る幹線道路
山頂にはいろいろな跡地がありました。
昔の知り合いに「城大好き!城跡を見ているだけで幸せ!」って人がいました。そんな彼女ならものすごく楽しめる場所なんじゃないかと思います。
馬場跡の看板
私は城には興味がない方なので、あっという間に周りを見回って…
岩殿山山頂の風景
岩殿山山頂は十分満喫した!さっさと分岐点に降りて「稚児落し」への道へ急ごう!

03想像以上の登山道

岩殿山地図岩殿山から稚児落し
登ってきた道を少しだけ戻り、道標のある分岐点まで戻ってきました。

8時43分稚児落しを目指す

大月駅と兜岩との分岐点を示す看板
ここから今回の一番の目的、「稚児落とし」へと向かうため兜岩方向に進むことになります。
この分岐点から道は本格的な登山道へ変わりました。周辺に木が生い茂った、眺望のない山道をしばらく歩きます。
兜岩方面へ続く登山道
と、思えばこのような看板も出現。
築坂の看板
でもこの先はほぼ鬱蒼とした登山道だったと思います。(ごめんなさい昔のこと過ぎてちょっと記憶が曖昧…)

しかし、まあ、今回の登山も登山道に人が居ないじゃないのよ!
兜岩稚児落しを示す看板
道標は所々に立てられていて、登山道ははっきりしているけれど、ここまで誰もいないと

一人で変な道に入り込んだじゃないかと不安になるじゃない!

周りを見る

って思いながら木々に囲まれた登山道をとぼとぼ歩いていたところ…顔に何かがまとわりついてきた!

何コレ?イヤ~~~!

蜘蛛の巣に絡まってパニックになっている

コレって…

………

蜘蛛の巣。

周りを見回すと、あちらこちらに蜘蛛の巣がかかっている状態…朝露がかかってキラキラしています…ってことは

この道を今日通る人間は私が初めてことなのかしら…?

人気の岩殿山ってガセなのかしら?と疑心暗鬼になっていると鎖場が登場!
待ちに待った?最初の鎖場ですよ!…あれれ?
岩場と心もとない紐
そこにあったのは黄色と黒のロープ…ロープに手をかけなくても登って行けるこじんまりとした鎖場でした。

その後も誰もいない山道を一人でテクテクと歩いていると、何だか…得体のしれない恐怖心がむくむく湧き上がってきた…。
山にいると周りを見渡しても誰も居ないのに、誰かに見られている気配を感じたりすることありません?
ちなみに私、霊感はまったくございません!金縛りにもあったことがないしね。
けれどもひとりで登山をしたり、テント泊をしていると、時々こういう恐怖心が湧き上がってくることがあります。

なにか…なにかいますね…

宜保愛子さんの顔マネ
※宜保愛子さんって覚えていますよね?(^_^;)

この感覚ってなんなんでしょうね?こんなことから昔の人は山に物の怪がいるって思い始めたのでしょうか?
そういえば「まんが日本むかし話」でも山に関する怪談話がたくさんありますよね…。結構好きでいろいろ見ていたのですが、よりによってそれらの話を思い出してしまった今、ひたすらなんか怖い!
塔ノ岳では感じなかった得体のしれない不安感を感じ、後ろを振り向くのも何だか怖くなり…先を急ぎました。

そそくさと歩いていると、再びクサリ場が登場!やったぜ!クサリ場!という高揚感から、先ほどまで感じていた恐怖心は落ち着き。クサリ場を乗り越え、更に歩くと
兜岩の岩場と迂回路を示す看板
「稚児落としへ(岩場経由)」「稚児落としへ(林間経由)」と案内板が書かれた分岐点が登場!迷うこと無く

このために岩殿山に来たんだから岩場デショ!


と迷うことなく鎖場コースを進びます…がこの道の先には今までより大きい鎖場がドン!と立ちはだかってました。こちらはロープの他に、鉄の鎖もあり、足をかけるハシゴまで岩場に打ちつけられていました。
岩場と鉄階子
ココを登り終え、ちょっと歩いた先に…岩場をトラバースする兜岩が見えてきました。

9時12分兜岩を渡る

兜岩を渡る
兜岩は断崖の側面を渡ります。しかも歩ける道幅が狭いのです。断崖絶壁の距離は5mぐらいなのですが…崖側は深い谷底です…。
写真で見ると急に見えますが鉄製の手すりがあるのでそれに軽く手を添えながら落ち着いて進んで行けばそれほど恐怖を感じること無く進めました。

兜岩を越え、もう1か所ロープの張られたプチ鎖場を越え天神山に到着。ここには高圧線の鉄塔や小さな祠がありました。

浅利天神からは尾根道を辿り、後は稚児落としだけ!

肩をすくめて立っている
だったはずだったのですが…
なんとな〜く続いている道を進んでいると…

だんだんと道が険しく…下り坂が急になってきた…気がする

イラスト下り道が不安
道もどんどん狭まってきていて…草がボウボウに…ねえ、これ、道が違うんじゃない?

やばい引き返そう…

イラスト下り道が不安2
引き返そうと決めたそのポイントから先が急な斜面になっていました!
ヤバイ!道を間違えた!
それを悟った途端、足がすくみ、ビビった心と身体が動作を過分に焦らせて登り返しがうまく動きません。
一度ほど足を滑らせたりもしました。焦燥感から足元がおぼつかず、ほぼ四つん這いで鉄塔の下まで戻ってきました。
鉄塔の下から再び見上げる
蜘蛛の巣にやられ、登山道ではなんとなく怖いし…挙句の果てには道迷いしかけて…すっかり私の心は折れました。

わーーーん!一人で登山なんてやらなきゃよかった!

イラスト大号泣
ちなみに帰宅後にいろいろな方の岩殿山登山レポを見ましたが…ここで迷ったというレポはない…。

誰か来るまでここに居ようかと思ったが…誰もいない…。
心を落ち着けて…進むべき道を確認し直そうと周りをもう一度見渡すと、先ほど進んだ道とは違う方向にハッキリとした道が見えます。
おそるおそる歩み始め、ちょっとでも変だと感じたら先ほどの鉄塔の下まで戻ろうと思いながら進むことに…。
登山道を歩く
周囲の景観が再び木々に覆われはじめると不安な気持ちが襲ってきますが、今回の道は先細ることなくハッキリと続いていきます。
そのまま山道を歩いて行くと…一気に眺望が開けた場所にでました。
見えてきました稚児落し!
見えてきた稚児落し
目的地と登山道がハッキリわかった途端に、心は一気に前向きに!急浮上!
道は再び林に戻りましたが、進むべき方向はわかっているし標識もあるから安心して進んでいきます。
急な階段を登る
そして、先ほど見た場所からみえた断崖の上についた!

9時53分稚児落しに到着

稚児落しに到着
とうとう着いたよ稚児落し!
そっと下を覗いてみた。…と言っても全然断崖の側へ行っていません…怖いもん。
稚児落しから下を覗く
こりゃあ落ちたら…ダメだ。
そう言えば稚児落しの由来を書いていませんでしたね。

千鳥姫は、織田家の大軍に包囲された岩殿山城から信茂の次男賢一郎と赤子の万生丸を連れ、護衛の小幡太郎らと共に落ち延びたが、万生丸が泣き出したため、小幡太郎は千鳥姫から万生丸を取り上げ、岩殿山城の断崖から投げ捨てたというものである。その場所は稚児落としと呼ばれて伝わっている。
ウィキペディアー小山田信茂の項目から抜粋

悲劇の場所だったんですね…岩殿山…。
ここで腰を落ち着けて行動食のおにぎりを食べているとようやく人とすれ違えました。よかった〜!
汚い登山口
食べながら今まで歩いてきた山の稜線などを眺めていると…先ほど道迷いしかけた場所の目印の鉄塔が見えます。
あの先、切れ落ちてるよ!
稚児落しから見る鉄塔の下の斜面
あのまま進んでいたら…本当に危なかった!
あのまま進んでいたら…どうなっていたかと思うだけでゾッとする。ちょっとでも道に迷った思ったら引き返すことが大切だということを学んだ出来事でした。

04下山中にも恐怖体験

岩殿山地図稚児落しから大月駅
稚児落としからは、大月駅へ向けて下山のみになります。
大月駅方面へ向かって下山
体力的には余裕だったのですが、ひとりぼっちの登山道道迷いしかけた事が早く下山したい!お家に帰りたい!心を増幅させています。
登山道はちょいと荒れ気味な上、相変わらず誰もいないので再び道迷いをしないように注意して下っていました…。
うっそうとした林の中を歩いていると…

がさがさ

なにやら音がしてきました。
その後…

ザザザッ!

という音と共に私がいる登山道の左下にある茂みから…

ウリ坊が三匹も!駆け抜けていった…!

何かいるんじゃないか?妄想も怖かったけど、こちらはまぎれも無い現実!野生動物…半端無く恐ろしい!
子どもがいるということは…近くにいる親イノシシに襲われたらどうしよう???
襲われた光景が頭に浮かぶ…
イラストイノシシに襲われている
恐ろしくてたまらない…その場に立ちすくみ、物音が消えるまでじっとしてました。ほんと、全く動けない…。
この時の気持ちは…正直…

もう、単独登山なんかしない!

恐怖を感じている顔1

しばらくして周囲が静まり返る…耳を澄ましても何の音もしない…。近くに生き物はいなさそうと判断したら…もう、道なりに急いで下山!
イノシシが怖くて怖くてどんな登山道だったかを一切覚えておりません。下の方から車の音が聞こえきてちょっとだけ一安心、道路に出てきてようやく一息つきました…。
大月市街を歩く
その後車道をよろよろ歩いて大月駅を目指します。
でかい橋の下とか歩いたと思いますがイノシシショックでここらの記憶はありません…。
本当にビビっていたのです。

05岩殿山登山まとめ

駅に辿り着き、ようやく人心地ついた。

11時8分大月駅到着

大月駅に到着
私の登山歴の中でも野生動物を間近に見たのはこれが最初で今んとこ最後。イノシシでも十分怖いが、熊と鉢合わせたら…気絶しそう…。
また、登山道にどうしてあんなに人が居なかったのか今でも謎ですが、時間が早かったのでしょうか?
でも行動時間を振り返ってみてもさほど早い行動時間とは思えない…。
今回の登山で里山の登山道はメジャーな登山道よりずっと道迷いしやすと実感しました。人や獣が気軽に入り込む分、けもの道ができやすいんでしょうね。

岩殿山自体は、ガイド本に書いてあった通りクサリ、岩、展望と小さいながらに面白さが凝縮された山だっと思います。
登山道でゆっくりと休憩できそうなポイントは、岩殿山山頂と稚児落しだと思いますが、小屋や売店などはありませんのでお気をつけ下さい。
また、いつの日か誰かと登りに行けたらいいな…。


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